2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26670049
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
三浦 広美 北里大学, 感染制御科学府, 助教 (20462252)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 厚子 北里大学, 感染制御科学府, 講師 (20300759)
中島 琢自 北里大学, 感染制御科学府, 准教授 (40526216)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 放線菌 / 糸状菌 / 抗結核菌 |
Outline of Annual Research Achievements |
放線菌および糸状菌の培養液に等量のエタノールを加えて作成した抽出液を用いてジアミノピメリン酸 (DAP) 合成経路を標的とした抗結核菌作用を持つ物質の探索を行った。 平成26年度は、放線菌抽出液約4000サンプル、糸状菌抽出液約5000 サンプル、計約9000サンプルについてディスクアッセイを行った。5種の菌 (Mycobacterium smegmatis, Escherichia coli, Staphylococcus aureus, Mucor racemosus, Candida albicans) を用いてディスクアッセイを行い、結核菌と同じスクシニラーゼ経路をもつM. smegmatisとE. coliの2菌にのみ生育阻害を示すものを候補サンプルとした。これまでに、放線菌より9サンプル、糸状菌より1サンプル、計10の候補サンプルを見出した。これらの候補サンプルについて、中性、酸性、塩基性の条件で酢酸エチルによる抽出試験を行った。その結果、糸状菌のサンプルでは酢酸エチル層に活性がみられたことから、活性物質は脂溶性物質であると予測された。放線菌のサンプルは、全て水層に活性が見られたことから、これらの活性物質は水溶性物質であると予測された。 活性物質を単離するために、糸状菌と放線菌各1サンプルについて三角フラスコ(培養容量は100 ml / 本)を用いて大量培養を行った。その結果、放線菌のサンプルでは三角フラスコ培養抽出液でも活性が再現した。糸状菌のサンプルは、三角フラスコ培養では活性が再現せず、大試験管(培養容量は10 ml / 本)で培養したサンプルにのみ活性が見られた。現在、イオン交換クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー等を用いて 活性物質を精製中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
スクリーニングの結果得られた候補サンプルは、大部分が水溶性物質であった。水溶性物質の精製は、脂溶性物質を対象とした一般的な精製法(有機溶媒による分配など)の適用が難しいので、別の精製法を検討しなければいけない。そのため予定より遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
スクリーニング方法の変更:計画では、結核の原因菌と同じMycobacterium 属で、非病原性であるMycobacterium smegmatis に対して生育阻害を示し、DAPを添加する事によってその生育阻害が回避されるような物質を選択する予定であったが、より多くの候補物質を検討するために、選択する幅を広くした。すなわち、異なる合成経路を持つ5種の菌 (Mycobacterium smegmatis, Escherichia coli, Staphylococcus aureus, Mucor racemosus, Candida albicans) を用いてアッセイを行い、結核菌と同じスクシニラーゼ経路をもつM. smegmatisとE. coliの2種にのみ生育阻害を示すものを候補サンプルとした。 精製方法の検討:候補サンプルの検討結果より、放線菌サンプルに含まれる活性物質が水溶性物質であると予測された。そのため、水溶性物質の単離精製に適した方法、例えばイオン交換クロマトグラフィーやセルロース薄層クロマトグラフィーなどを検討する必要がある。
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