2015 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルスの複製機構の弱点をターゲットとした抗HIV剤の創製
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26670053
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
玉村 啓和 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (80217182)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | HIV感染症 / エイズ / カプシドタンパク質 / エンベロープタンパク質gp41 / 多量体形成 / 薬剤耐性ウイルス / フォワードケミカルゲノミクス |
Outline of Annual Research Achievements |
エイズおよびHIV感染症の治療において、耐性ウイルスの出現を完全に防ぐことは難しく、新しい薬剤の創出が望まれている。本研究では、全く新たな概念に基づく戦略により、新規抗エイズ薬の創製を目指した。HIVの複製サイクルにおいて、変異に弱そうな標的を探すのではなく、ヒトには存在しないHIV固有のものを標的分子として選んだ。このような従来の固定概念を脱却し、HIVがもつ複製上の弱点をターゲットとして、抗エイズ薬を探索しようと考えた。HIV構成タンパク質においては多量体形成等の機能維持に必須な構造があり、それらは変異しにくく(変異すると機能を失う)、そのような標的を探すことが、治療において重要であると考えられる。すなわち、多量体形成に関わるカプシドタンパク質(CA)やエンベロープタンパク質gp41は立体構造的に変異に弱い領域を持つと思われ、これらの領域を探索した。このようなHIVに内在する変異や構造変化に対する弱点をターゲットとして、自らが創製するペプチドおよびペプチドミメティク技術を用いて、フォワードケミカルゲノミクス的手法により抗エイズ薬を探索した。HIVの構造タンパク質において、CAやgp41は、多量体形成が構造や機能維持に重要であり、ウイルスゲノムが変異すると多量体がうまく形成されず、機能を維持できなため、変異しにくいと考えられた。最終的に、ウイルス変異に抵抗する、薬剤耐性が生じにくい、抗エイズ薬の治療標的をいくつか発見し、抗HIV剤の創出のブレークスルーの可能性を見出した。
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Research Products
(14 results)
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[Journal Article] A Minimally Cytotoxic CD4 Mimic as an HIV Entry Inhibitor.2016
Author(s)
Takaaki Mizuguchi, Shigeyoshi Harada, Tomoyuki Miura, Nami Ohashi, Tetsuo Narumi, Hiromi Mori, Yu Irahara, Yuko Yamada, Wataru Nomura, Shuzo Matsushita, Kazuhisa Yoshimura & Hirokazu Tamamura
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Journal Title
Bioorg. Med. Chem. Lett.
Volume: 26
Pages: 397-400
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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