2015 Fiscal Year Annual Research Report
ロテノンによる細胞外グルタミン酸濃度上昇に対する細胞応答とその破綻による細胞死
Project/Area Number |
26670063
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
古武 弥一郎 広島大学, 大学院医歯薬保健学研究院(薬), 准教授 (20335649)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | ロテノン / グルタミン酸 / 細胞応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、細胞がロテノンに曝露されたときのグルタミン酸トランスポーターによるグルタミン酸濃度調節とその破綻が如何にして起こるかを調べ、新規毒性メカニズムを明らかにすることである。本年度は、ラットC6細胞にロテノン曝露することにより放出された因子が大脳皮質初代培養神経細胞へ与える影響を検討した。
50 nM ロテノンをラットC6細胞に6時間曝露して得られたconditioned medium(rotenone-CM)及びrotenone未添加conditioned medium(control-CM)を大脳皮質神経細胞に24時間曝露した。細胞生存率は、trypan blue assayとWST-1 assayにより測定した。細胞外グルタミン酸濃度測定には、Amplex red assayを用いた。グルタミン酸受容体阻害剤としてMK801を用い、細胞生存率に対する影響にグルタミン酸受容体が関与しているか否かを調べた。
その結果、C6細胞にロテノン6時間曝露することにより、細胞外グルタミン酸濃度上昇が認められ、大脳皮質神経細胞へのrotenone-CM 24時間曝露において、細胞生存率の有意な減少が認められた。また、rotenone-CMとMK801を併用曝露したところ、細胞生存率の減少は回復した。従って、rotenone-CM曝露による細胞死はグルタミン酸受容体を介して引き起こされることが示唆された。また、control-CMとrotenone-CMにおけるグルタミン酸濃度を測定し、その差をcontrol-CMと併用曝露したところ、細胞生存率の低下が認められた。以上より、50 nM ロテノンを曝露しC6細胞より放出されたグルタミン酸が神経細胞死の主要因であると考えられる。
|
Research Products
(1 results)