2014 Fiscal Year Research-status Report
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26670070
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
阿部 高明 東北大学, 医工学研究科, 教授 (80292209)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 虚血 / 腎不全 / エリスロポエチン |
Outline of Annual Research Achievements |
本邦では末期腎不全になり透析にいたる可能性が高い慢性腎臓病(CKD)の患者が増えており、透析にかかる費用は1兆5千億円を越え今後更に増加してゆく。また腎機能の悪化とともに腎性貧血が起こりその改善のためにエリスロポエチン(Epo)製剤が使用されるが、その薬価は高く医療費を押し上げている。現在までに腎機能を保護する薬剤は降圧剤であるACEi/ARB以外に上市されていない。また腎性貧血に対する治療薬剤も注射薬であるEpo製剤以外はない。 申請者は腎不全患者の血中に100種類以上ある尿毒症物質のメタボローム解析を行い、その中からEpo産生促進作用のある物質を発見した(JASN2009, HTN Res2010, CEN2011, JSAN2013)。そこでその化合物をリード化合物として化合物ライブラリーを合成しEpo産生能を有する物質を探索する。本年は化合物の合成展開とそのEpo産生能を検討した。その結果41種類の代表化合物のなかに11種類Epo産生能を有する化合物が同定された。 その化合物の細胞内情報伝達系を解明するためにCignal 45 pathway キットを用いてEpo産生機序を検討したところ今まで報告されていない転写因子がEpo産生に関与している事が明らかとなった。さらにその転写因子を抑制する化合物やsiRNAを用いた実験からも確認された。さらにこの化合物を貧血マウスに投与する事により貧血が改善する事が明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
化合物41種類をさらにEpo産生能を指標にスクリーニングしたところ数種類の物質に in vitroだけでなく in vivoでもEpo産生促進作用あることを見いだした。
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Strategy for Future Research Activity |
脳虚血・再灌流マウスに経口投与し血中Epo濃度、脳内の虚血巣面積を、腎虚血再灌流モデルを用いて我々の合成した新規化合物群が臓器保護作用を有している可能性を検討する。
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Research Products
(6 results)