2014 Fiscal Year Research-status Report
蛍光偏光観測による核ラミナのフィラメント構造と重合機構の解析
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26670087
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
佐藤 啓介 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (60644044)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺田 純雄 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (00262022)
川岸 将彦 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (60323606)
齊藤 健太 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (60374659)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 細胞骨格 / 中間径フィラメント |
Outline of Annual Research Achievements |
蛍光偏光観察のための偏光分岐光学系セットアップについて、事前の計画では、励起光の偏光面を回転させる予定であったが、顕微鏡本体の光学系の制約により、出力側の蛍光を二偏光に分岐する系を作るように計画を変更した。この光学系だとライブ観察も可能なため、事前の計画のものよりもむしろ用途が広くなる。スリットで視野を矩形にし、偏光ビームスプリッタで二成分に分岐したものを、ミラーで角度を調整したのち再度偏光ビームスプリッタで収束させ、一画面に隣り合わせて映るようにした。ただし、全反射によるエバネッセント光で励起した際の蛍光の偏光面の角度を確認する必要がある。 同時に、蛍光異方性を有するLaminA-EGFPおよびLaminB1-EGFPの作製に取り組んだ。LaminB1-EGFPについて、コイルドコイルドメインのC末端部分とEGFPのN末端部分の様々な連結様式を試したところ、蛍光異方性を有する二つの構築を得た。これらの構築は、顕微鏡観察に必要な蛍光量になるように発現した際に、核の形状に異常を来さないことを確認できた。 次に、これらの構築を恒常発現する細胞株の樹立を試みた。HeLa細胞を親株とし、ランダムインテグレーションと抗生物質によるセレクションにより、複数の安定発現株を得た。しかしながら、最終的に安定発現している細胞株を選択する際にはEGFPの蛍光観察に頼らざるを得ず、結果として、いずれの株も全反射蛍光顕微鏡や薄層斜光照明蛍光顕微鏡に適した発現量よりはるかに過剰な発現量となっていた。 LaminA-EGFPについては現段階では蛍光異方性を有する構築を得られておらず、プラスミド作製とスクリーニングを継続中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
蛍光偏光観察のための偏光分岐光学系セットアップはまだ実用に至っていないが、あとは微調整を残すのみであるため、ほぼ完了していると言える。 LaminB1-EGFPのconstrained taggingに初年度内に成功した点は、大きな成果であると言える。LaminA-EGFPについてはまだ成功していないが、これはもともと二年間のうちに達成する目標であったため、想定の範囲内である。
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Strategy for Future Research Activity |
蛍光偏光観察のための偏光分岐光学系セットアップを次年度の早期に完了する。 LaminA-EGFPのconstrained taggingを継続し、次年度の中盤までには成功させたい。コイルドコイルドメインとEGFPのN末端の連結は、試したバリエーションがまだ少ないため、さらに多くの連結様式を試す。必要があれば、circular permutationを行う。 得られた構築については、安定発現株を作製する。方法としては、ランダムインテグレーションの代わりに、Genome Editingを用いる。 安定発現株を用いて核ラミナ構造の詳細な検討を行う。HeLa細胞において成功したら、様々な種類の細胞について同様の実験を行い、細胞間の核ラミナ構造の共通点、相違点を明らかにする。
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Causes of Carryover |
旅費を別途調達し、次年度に2名分の旅費を計上する必要が生じたため、その分を次年度に使用できるように確保した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
共同研究先(ウッズホール海洋学研究所、アメリカ)への出張費に充てる。
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Research Products
(1 results)