2014 Fiscal Year Research-status Report
次世代リプログラミング法への挑戦~RNAiのみによって細胞を作る~
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26670088
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
加藤 洋人 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教 (60446549)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 機能ゲノミクススクリーニング / 細胞分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、研究計画に従いながら以下の研究を進めた。 1.特異的遺伝子のプロモーター配列にGFP配列を結合したGFP-reporterプラスミドの作製に関する検討および作製を行った。 2.株化線維芽細胞に対して上記GFP-reporterプラスミドを導入するための各種の実験条件を検討し確定した。 3.ヒト遺伝子あるいはマウス遺伝子を網羅的に標的としたレンチウイルスshRNAライブラリを作製し、線維芽細胞などへの感染効率および耐性薬剤の必要量などに関する条件を検討し確定した。 4.標的細胞1個あたり1種のウイルスが導入されるようなレンチウイルス感染効率を検討し、実験に用いられるウイルスタイトレーションなどを確定した。 5.細胞に対してshRNAレンチウイルス(感染細胞はRFPを呈する)を感染させ、RFP(+)となった細胞を1細胞単離装置を用いながら単離するための実験条件を検討し確定した。 6.細胞からゲノムDNAを抽出したのち、導入されたレンチウイルス部位のみをmultiplex-PCRによって増幅し、得られたPCR産物を半導体型次世代シーケンサ(IonPGM)によって網羅的に解読する、といった一連のシーケンス・スクリーニング解析に向けて次世代シーケンス・プロトコールを検討し確定した。 上記の検討事項および成果物を用いながら、研究計画どおり平成27年度は実際のデータ採取およびデータ解析を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね研究計画に記載した通りに研究が遂行されており、順調な進展と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は以下の実験を進めていく予定である。 1. GFP-reporterの導入された線維芽細胞に対して、平成26年度に検討された方法によって網羅的shRNAレンチウイルスライブラリを感染させ、培養を継続する。 2. puromycin添加培養および細胞分化誘導後の状態において、平成26年度に検討された方法によって、GFP(+)を呈した細胞を単離する。ウイルス導入細胞は同時にRFP(+)も呈することから共陽性を呈する細胞のみを単離する予定である。 3. 単離されたGFP(+)細胞からゲノムDNAを抽出し、平成26年度に検討された方法に基づいて半導体型次世代シーケンサによる網羅的解読を行うことで、shRNA配列およびその標的遺伝子を解読していく。 これらの実験を複数回繰り返して行うことによって、線維芽細胞を別の系統の体細胞へとダイレクト・リプログラミングすることが可能なshRNAの組合せを検討していく予定である。 また、データ解析を進めていく段階において、検証実験も併せて行っていく予定である。具体的には、各々の候補shRNA標的遺伝子に対する独立した配列のRNAi duplex(合成二本鎖RNA分子)の組合せを線維芽細胞にトランスフェクションしてGFP発現の有無を追跡する、などといった方法によって、網羅的な機能ゲノミクス・スクリーニングによって得られた結果の検証を進めていく予定である。
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