2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26670108
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Research Institution | Foundation for Biomedical Research and Innovation |
Principal Investigator |
伊村 明浩 公益財団法人先端医療振興財団, その他部局等, 研究員 (60362513)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 副甲状腺 / テトラスパニン / ノックアウトマウス / カルシウム受容体 / ミネラル代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
報告者は副甲状腺の組織学的検討により、カルシウム受容体分子が凝縮されている小胞様構造物を発見し、その主要構成成分であるテトラスパニン8に着目し、副甲状腺ホルモンプロモーターCreマウスとの掛け合わせにおいて副甲状腺細胞特異的にノックアウトしたところ、血清カルシウム濃度が1.5倍以上に上昇することが判明した。このマウスではカルシウムイオンの感受能力が低下したと考えられる。従ってこの結果は、カルシウム受容体が正確に機能するためには、特殊なテトラスパニン構成小胞が必要であることを示す。今回作成したテトラスパニン8副甲状腺細胞特異的ノックアウトマウスは極度の高Ca血症にも関わらず一見健康で、繁殖性が保たれている。この事実は、CaRとTspanの生理的役割が異なることに加え、Caイオン値の異常はただちに健康に悪影響を及ぼさないことも示している。では、どうして血清カルシウムが上昇してしまうのだろうか?この問題に答えるため、副甲状腺の形態を電子顕微鏡で解析した所、巨大な空胞が生じており、細胞膜も波打っていた。このような形態は野生型マウスでは見られなかった。小胞の構成要因から推測すると、テトラスパニンが欠損しているために、エンドサイトーシス小胞の生成が不完全となり、空胞化するのではないかと考えられる。カルシウム受容体分子はテトラスパニン小胞に密集して機能するのであれば、小胞が不完全であるならば、ミネラル感知が上手く行かないと類推できる。このマウスではカルシウム値上昇のみならず、リン酸値が著名に低下しており、リン酸感知の異常とカルシウム感知の異常の因果関係の序列は不明である。現在このマウスを用いて、因果関係を追求している段階である。
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Research Products
(2 results)