2014 Fiscal Year Research-status Report
近赤外発光による脳深部のin vivo光イメージングシステムの構築
Project/Area Number |
26670115
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
飯島 典生 日本医科大学, 医学部, 准教授 (00285248)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | イメージング / 脳深部 / ルシフェラーゼ発光 / アカルミネ / Per2::dLuc Tg ラット |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画は、赤色ルシフェラーゼ発光(ルシフェラーゼの発光基質としてアカルミネを用いる赤色発光)をin vivo imagin system(IVIS)によって検出することで、神経活動を反映する脳深部のライブイメージングを目指すものである。我々はそのモデルケースとして、時計遺伝子Per2プロモーター制御下でルシフェラーゼを発現するトランスジェニックラット脳室にアカルミネを注入し、生物時計の中枢である間脳視床下部に位置する視交叉上核(suprachiasmatic nucleus: SCN)からサーカディアンリズムの検出に取り組んでいる。切片培養によりSCNは他領域とくらべ特に高いルシフェラーゼ発光を示すことが知られている。しかしSCNは脳底部に位置しており、脳室内にアカルミネを注入した後に成体ラットを頭頂からイメージングを試みても検出は不能であった。そこで頭皮の剥離、さらには頭蓋骨へのウィンドウを試みたが有意なシグナルは検出できなかった。脳室にアカルミネを注入後に摘出した脳を用いても頭頂部からのシグナル検出は出来なかった。続いて脳の比較的小さい若齢ラットを用いた検出を進めている。現在まで有意なシグナルは得られていない。 本研究の究極的な目的は、脳深部のイメージングであり光ファイバーを用いたシグナルの可能性について並行して検討を進めている。これは非侵襲によるシグナル検出が難しい場合、プローブを脳内に挿入して神経細胞活性を反映するイメージを得る方法の開発である。予備実験として、現在までに直径200μm 3000束の光ファイバー束(bundle optical fiber)によりGFP発現トランスジェニックラットより脳深部の神経細胞の蛍光イメージを得ている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
蛍光検出が難しい理由として、発光基質アカルミネによりルシフェラーゼより発せられる赤色光の脳組織に対する透過性が、期待したよりも低いことにある。現在、動物への処置方法、用いる動物の選択に関して工夫を試みている。
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Strategy for Future Research Activity |
①より長波長の発光基質を用いたイメージングを試みる。 ②Per2::dLUCトランスジェニックラットからの蛍光検出ではなく、タンパク質標品LUC+アカルミネ混合液をを脳実質の比較的浅層に注入して有意なシグナルを得ることを試みる。 ③シグナルを検出するためのプローブを挿入する方法についても検討を進める。
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Research Products
(3 results)