2014 Fiscal Year Research-status Report
摘出灌流心を用いたイオンチャネルの細胞膜発現量変化の定量的イメージング法
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26670118
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
石井 邦明 山形大学, 医学部, 教授 (10184459)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永澤 悦伸 山形大学, 医学部, 助教 (40513057)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | チャネル / GFP変異体 / イメージング / 心筋 / 受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
動物摘出灌流心において、KCNQ1(遅延整流性Kチャネルの主サブユニット)の細胞膜発現量の変化をリアルタイムで可視化できるモデルを確立することを目的に検討を行った。 1.pHluorin融合KCNQ1の作製と機能確認 ① pHluorin(pH感受性を有するGFP変異体)を、KCNQ1の第1-第2膜貫通領域をつなぐ細胞外領域に融合させたコンストラクト(pHl-KCNQ1)をPCR法によって作製した。② 作製したpHl-KCNQ1を鋳型に in vitro でRNAを合成し、副サブユニットであるKCNE1と共にアフリカツメガエル卵母細胞に発現させた。2電極膜電位固定法を用いて、pHl-KCNQ1/KCNE1を流れる電流を測定したところ、チャネルが正常に機能することが明らかになった。 2.pHl-KCNQ1のイメージング ① HEK293細胞にpHl-KCNQ1を発現させ、共焦点レーザー顕微鏡を用いて観察したところ、細胞膜におけるpHl-KCNQ1の発現が確認できた。その細胞に対して、KCNQ1のエンドサイトーシスを起こすことが明らかとなっているα受容体の刺激を行ったが、僅かなpHl-KCNQ1の蛍光量変化しか得ることが出来なかった。②また、アフリカツメガエル卵母細胞にpHl-KCNQ1を発現させ、蛍光実体顕微鏡を用いた検討を行ったが、明らかなpHl-KCNQ1の蛍光は観察することが出来なかった。電流は記録出来ることから、pHl-KCNQ1は細胞膜に発現していると思われたため、pHl-KCNQ1による蛍光を観察出来なかった理由としては、発現量が不十分であった可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成26年度中に、摘出灌流心臓での検討を始められるだけのpH感受性および蛍光量変化を示す変異GFP融合KCNQ1を作製することが目標であった。しかし、pHluorin 以外のGFP変異体を作製して検討することまでは行えなかった。目的とするGFP変異体の作製は理論で進められる訳ではないため、その壁を乗り越えるのにかかる時間の予測が立たず、研究の達成度としては遅れていると言わざるを得ない。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の目的を達成するためには、現存するGFP変異体よりも高いpH感受性を示す変異体を作製することが必要である。数多くトライアンドエラーを繰り返さなければならないかも知れないが、そのようなGFP変異体の作製に全力を尽くす。全体として研究計画に変更を加える必要はないと考える。
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Causes of Carryover |
平成26年度中に終了する予定であったGFP変異体の作製まで進まなかったことと、それに伴い動物を用いた検討が行えなかったことが理由である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成26年度に計画されていた研究を進めることで、平成27年度分と合わせて使用したい。
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