2014 Fiscal Year Research-status Report
過剰免疫反応による精神疾患発症機構のリアルタイムイメージング解析
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26670121
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山田 清文 名古屋大学, 医学部附属病院, 教授 (30303639)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 神経科学 / 脳神経疾患 / IFITM3 |
Outline of Annual Research Achievements |
うつ病や統合失調症などの精神疾患の発症原因の1つとして過剰免疫反応の関与が示唆されているが、その全容は未だ不明な点が多い。これまでに我々は、インターフェロンの抗ウイルス作用に重要な役割を果たしているインターフェロン誘導性膜タンパク質Interferon Induced Transmembrane Protein 3(IFITM3)が周産期の自然免疫応答誘発性の神経発達障害に関与していることを明らかにした。IFITM3が過剰免疫反応による精神疾患の発症に関与している可能性は高く、中枢神経系におけるIFITM3の機能を解明することで精神疾患の発症メカニズムの一端を明らかにできると思われる。 エンドサイトーシスは様々な分子が時間空間的に複合体を形成することで制御されており、神経機能調節に重要な役割を果たしている。一方、IFITM3は直接または間接的にエンドサイトーシスに関与する分子と結合し、その機能を障害すると考えられる。そこで平成26年度は、IFITM3によるエンドサイトーシス制御機構を解明するための実験を行い、以下の結果を得た。 (1) LC-MS/MS解析によりIFITM3の新規結合タンパク質候補としてRabGDIを同定した。(2) IFITM3とRabGDIの結合をGST pull down assayにより確認した。(3) IFITM3の変異体(非リン酸化、非パルミトイル化)を作製した。(4) イメージングの準備として、蛍光タンパク質とFstl1の融合タンパク質を発現するプラスミドを作製した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
TIRF顕微鏡を用いたグリア細胞からのFstl1の分泌測定には至らなかったが、イメージングに必要な実験材料の作製は順調に進展した。また、最も困難が予想されたIFITM3と相互作用を示す分子が同定できたことから、平成26年度の研究計画は全体としては概ね順調に実施できたと評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
1. IFITM3によるエンドサイトーシス制御機構の解明 平成26年度に同定したIFITM3結合タンパク質がエンドサイトーシスに与える影響について検討する。また、IFITM3と結合しない変異体を作成し、結合タンパク質のノックダウンによるエンドサイトーシスの変化が変異体の導入でレスキューされないことを確認する。さらに、エンドサイトーシスにより取り込まれた分子(EGFRなど)の細胞内輸送経路の変化についても解析する予定である。 2. IFITM3のFstl1分泌増加メカニズムの解明 Fstl1の分泌過程についてリアルタイムイメージングにより検討する。Fstl1を蛍光タンパク質との融合タンパク質として発現させ、TIRF顕微鏡を用いてFstl1の細胞内輸送過程を解析する。また、上記のIFITM3結合タンパク質のFstl1分泌増加への関与についても検討する。
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[Journal Article] Girdin phosphorylation is crucial for synaptic plasticity and memory: a potential role in the interaction of BDNF/TrkB/Akt signaling with NMDA receptor.2014
Author(s)
Nakai T, Nagai T, Tanaka M, Itoh N, Asai N, Enomoto A, Asai M, Yamada S, Saifullah MAB, Sokabe M, Takahashi M, and Yamada K
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Journal Title
J. Neurosci.
Volume: 34
Pages: 14995-15008
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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