2015 Fiscal Year Annual Research Report
Discovery of Aurora-A Regulated Signal Networks Critical for Glucose Metabolism and EMT
Project/Area Number |
26670159
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
片山 博志 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (90713975)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹井 香織 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (50722162)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | Aurora kinase / p53 / EMT / Glucose Metabolism |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、オーロラAキナーゼの高発現下により誘導される正常細胞の上皮間葉転換(EMT)と解糖系代謝能の変化、これらのミトコンドリア分裂との関係についてその背景となる分子機序について調べることを目的とし、次に述べる結果を得た。 ①オーロラA によるEMT誘導に関わる遺伝子を探索した結果、Cyclin D1とPTENの関与が明らかになった。②解糖系への影響は、p53のリン酸化により解糖系代謝の上昇を認めた。しかしp53ファミリーメンバーでありオーロラAの基質であるp73ではそのような変化は認められなかった。リン酸化p53に特異的に結合するタンパク質群のプロテオミクス解析から解糖系に関与していることが知られているがp53との結合が明らかにされていないタンパク質を複数同定した。③正常な細胞分裂進行時におけるミトコンドリア機能(呼吸能/ATP生産能)と比較し、オーロラA 活性阻害剤を処理した染色体分配異常を示す細胞では、著しいミトコンドリア機能の低下を認めた。間期の細胞ではこのような差は認められなかった。 今後、本研究から新たに見出したp53結合タンパク質の解析を通して解糖系代謝におけるオーロラA -p53複合体のシグナル経路の詳細が明らかになることが期待され、また染色体分配異常がミトコンドリアの活性に影響を与えることから、染色体分配の異常ながん細胞におけるミトコンドリア機能低下の一つの機構である可能性を示唆し、EMTの誘導を関わる遺伝子発現異常につながるのではないかと考える。
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Research Products
(2 results)