2016 Fiscal Year Annual Research Report
Mass spectrometry analysis of cardiac tissue with acute infarction
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26670173
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鶴山 竜昭 京都大学, 医学研究科, 特定教授 (00303842)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽賀 博典 京都大学, 医学研究科, 教授 (10252462)
宮川 文 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (90432385)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 心筋梗塞 / 質量分析 / イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
心筋梗塞の病態を分析するためのバイオマーカーの探索を行ってきた。特に、病理学的変化に乏しい急性心筋梗塞の組織学的分析に必要な特異的なタンパク質変化などを知るために病理組織標本を使ったin situで発現タンパク質の次元分布を知ることにつとめてきた。 導電体特殊ガラス上に、薄切した心臓組織切片を搭載した顕微鏡標本を用いて、アセトニトリル溶液中で高温煮沸処理による化学的前処理の最適化を行いイオン化効率の増加のためのプロトコール確立をめざした。その結果、質量分析(MAODI-TOF)用のイオン化支援物質(マトリックス)として2,5-dihydroxybenzonic acid (DHB)を用いることが最も適切であることをつきとめた。次に、前処理後のタンパク質とDHBの均一な混合結晶を切片上に形成することを高効率化し、かつ画像解像度の改善に成功した。 実際に、質量分析イメージングを行い、7種類の心筋のタンパク質(アクチン、ミオシンを含む)の分布を標本上に2次元描像として得ることに成功した。特に、左室壁の心筋切片を用いることで、心筋梗塞において、冠状動脈など血流、および心筋の機能評価に関わるミトコンドリア代謝に重要なATP合成酵素の分布についてデータを得ることに成功し、梗塞による心筋傷害の程度を画像的に評価する基盤技術を確立できた。その結果、梗塞部位とATP合成酵素の低下についての相関が得られることができ、将来の急性心筋梗塞の病態を分析できる基盤に関わるデータを取得できた。現在、データの解像度の改善を行うための専用の画像解析ソフトのプログラミングを行っており、加えて病理組織像との照合による心筋の傷害の程度についての比較分析を行い、近日中に論文報告を行う予定である。
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Research Products
(2 results)