2014 Fiscal Year Research-status Report
リバースケミカルジェネティクスによるマラリア赤血球侵入分子機構の解析
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26670202
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
坪井 敬文 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 教授 (00188616)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高島 英造 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 准教授 (50366762)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | マラリア / リバースケミカルジェネティクス / 赤血球侵入 |
Outline of Annual Research Achievements |
リバースケミカルジェネティクスとは「標的タンパク質に対する阻害剤をスクリーニングし、その阻害剤が生物の表現型に及ぼす影響を観察することによって、標的タンパク質の機能を明らかにすること」である。本研究は、熱帯熱マラリア原虫においてこの手法を確立し、これまでリバースゲネティクスでは解析出来なかった熱帯熱マラリア原虫の赤血球期に発現する機能未知タンパク質の機能を明らかにすることを目的とする。そのために、近年我々が同定したメロゾイトタンパク質分子GAMAを例に、その特異的阻害剤を見出すことによって、赤血球期原虫におけるGAMAの分子機能の詳細を明らかにすることを目指して本研究を開始した。平成26年度は、GAMAと既に同定済みのGAMA結合タンパク質の相互作用を阻害する化合物ハイスループットスクリーニング(HTS)系の構築を行った。「タンパク質/タンパク質」の相互作用は弱いことが知られているため、HTS系の構築に、本研究センターの基盤技術であるアルファスクリーンを応用した。つまり、タグ融合GAMAタンパク質と、ビオチン化GAMA結合タンパク質をインキュベートしておき、そこにビオチン結合ドナービーズと抗タグ抗体結合アクセプタービーズを加え、タンパク質/タンパク質相互作用を、発光シグナルで検出するものである。このアッセイ系の構築のためには、GAMA及びGAMA結合タンパク質のタグ付加並びにビオチン化部位が、発光シグナルに影響する可能性を検証することが必須であるため、両者のタンパク質のN末またはC末にタグ付加並びにビオチン化を全ての可能性を検討した。その結果、最適な組合せを見出すことが出来たことから、GAMA/GAMA結合タンパク質の相互作用を阻害する化合物のHTSスクリーニング系が確立できたと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していたGAMA/GAMA結合タンパク質の相互作用を阻害する化合物のHTSスクリーニング系が確立できた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り、平成26年度に確立した GAMA/GAMA結合タンパク質の相互作用を阻害する化合物のHTSスクリーニング系を用いて、化合物コアライブラリーをスクリーニングする。
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Causes of Carryover |
タンパク質/タンパク質相互作用アッセイ系の確立が効率よく進んだため、使用したタンパク質合成用消耗品の使用料が予想よりも少ない量で達成できたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度にスクリーニングする化合物ライブラリーのスケールを大きくし、そのために必要なタンパク質合成用消耗品も当初の計画より大量に必要となることから、それら消耗品費に追加して使用する。
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