2015 Fiscal Year Annual Research Report
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26670203
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
嘉糠 洋陸 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (50342770)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 難治性創傷 / 褥瘡 / マゴットセラピー / バイオセラピー / 幼虫 / ハエ / 蛹化 / 抗菌物質 |
Outline of Annual Research Achievements |
マゴットセラピー(Maggot Debridement Therapy: MDT)は、主としてヒロズキンバエの幼虫が壊死組織を選択的に摂食する作用を用いた難治性創傷に対する治療法で、ヒル治療と並び数少ないバイオセラピーの一つである。主に①デブリードマン効果②抗菌効果③肉芽増生効果の3つの効果があり、糖尿病性壊疽や褥瘡等に効果を上げる。コストが低く抑えられるため、欧米を中心に既存治療に対する代替え療法として用いられることがある。現在世界で治療に用いられている腐肉食性ハエは、ほぼ同じ種・系統で占められており、ハエ系統の改良は行われていない。本研究では、蛹化・羽化の人為的制御、デブリードマン能力の向上等を目的とした医療用ウジ系統の改良を試みた。MDTに用いられる医療用ウジは、48~72時間で患部を脱し蛹(サナギ)になる性質があるため、2~3日に一回ウジとともにドレッシングを交換する必要がある。このような特徴から、稀ではあるがウジの逃亡および蛹からの成虫の羽化が起きる。エクジステロイドは昆虫の変態ホルモンでその増減は脱皮・蛹化に深く関わる。Ecdysteroid-22-oxidaze(E22O)は、真菌由来の酵素でエクジステロイドの作用を阻害する。このE22Oをヒロズキンバエ幼虫に微量注入することにより、ヒロズキンバエの幼虫の蛹化を止めることに成功した
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