2015 Fiscal Year Annual Research Report
真菌感染に応答した自然免疫誘導に関与する新規感染センサーの同定
Project/Area Number |
26670209
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
米山 光俊 千葉大学, 真菌医学研究センター, 教授 (40260335)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西城 忍 千葉大学, 真菌医学研究センター, 准教授 (60396877)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 免疫学 |
Outline of Annual Research Achievements |
病原真菌は、致死的な真菌症を引き起こすだけでなく、アレルギー性疾患の誘発や重篤化に深く関与することが知られ、感染に応答した免疫反応の理解は、これらの疾患対策のうえで重要である。近年、自然免疫における感染センサーの解析が進んできたが、真菌の細胞壁の糖鎖構造のうち、chitin(キチン)についての検知機構がほとんど明らかになっていない。そこで本研究では、免疫系細胞膜上に発現していることが予想される自然免疫誘導に関与する新規chitin受容体を同定し、その機能解析を通じて新たな真菌症・アレルギー疾患の治療戦略開発へつながる知見を得ることを目的とする。 平成27年度は、マウス骨髄細胞由来の初代培養細胞(樹状細胞及びマクロファージ)をchitinで刺激した場合に誘導される標的遺伝子のうち、明確に発現上昇の見られる複数の遺伝子(炎症性サイトカイン等)に焦点を絞り、その発現様式について検討を行った。また、これまで種々の感染センサー分子の下流で機能していることが知られているシグナル伝達分子を欠失した遺伝子改変マウス由来の初代培養細胞でも同様の解析を行い、そのシグナル経路について検討した。その結果、複数の標的遺伝子の候補が見出されたものの、それらの発現誘導は既知のシグナル分子の欠失による影響を受けなかったことから、全く未知のシグナル経路が存在する可能性と、複数のシグナルが重複して関与している可能性の両者が予想された。今後は、標的を絞ったレポーターシステムを構築し、そこに関与する分子の同定を目指したい。
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Research Products
(2 results)