2014 Fiscal Year Research-status Report
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26670226
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中山 英美 大阪大学, 微生物病研究所, 准教授 (70324845)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | H5N1 |
Outline of Annual Research Achievements |
高病原性鳥インフルエンザウイルスH5N1のヒトへの感染が、タイ王国においても2004年に起こり、25名が感染し、うち17名が死亡した。鳥インフルエンザウイルスが細胞に侵入する際に使用するレセプターは、シアル酸α2-3ガラクトース糖鎖(SAα2,3Gal: 鳥型レセプター)であるが、ヒトインフルエンザウイルスはシアル酸α2-6ガラクトース糖鎖(SAα2,6Gal: ヒト型レセプター)により強い親和性を示す。感染者から分離されたH5N1ウイルスのほとんどは鳥から分離されたH5N1と同様に鳥型レセプターに強い親和性を示すため、なぜ、これらの感染者がH5N1ウイルスに感染し得たかは明らかではない。マヒドン大学医学部シリラ病院のPilaipan Puthavathana教授らによって樹立された4名のH5N1ウイルス感染生存者および10名の非感染者の不死化B細胞からヒトゲノムDNAを常法で抽出し、Illumina社のNextera custum enrichment kitを用いて8種類のシアル酸転移酵素遺伝子(ST3GAL1-6とST6GAL1,2)の全長領域を濃縮し、Illumina社の次世代シーケンサーMiSeqを用いて塩基配列を決定した。配列が読めなかったギャップは、ST3GAL3遺伝子中に1kb、ST6GAL1遺伝子中に5kbに渡って存在し、ST3GAL3については別途、PCRprimerを設定して遺伝子配列を決定することができたが、ST6GAL1については、まだ増幅が出来ていない。統計学的に有意差がある一塩基多型は30カ所ほどあったが、ST3GAL2, ST3GAL5, ST6GAL2には該当する多型は見当たらなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、予定していた検体の遺伝子解析はほぼ終了した。
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Strategy for Future Research Activity |
感染者の検体数が少ないため、候補遺伝子変異をこれ以上、絞りきれずに居る。 タイでは2004年以後、H5N1感染の事例はないため、検体の入手は不可能であるが、 エジプト中央公衆衛生研究所のDr. Ahmed Satwat Abdelghani Abdelaalに連絡を取ったところ、10検体前後の検体が保存されているという情報を得た。 保存されている検体と同様の手法で取ったスワブからPCRでヒトゲノムが増幅可能であることを、予備実験として確認した。現在、倫理申請を行い許可を待っているところであり、 許可が得られたら、改めて、エジプトへ渡航し、現地で実験を行う予定にしている。
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Causes of Carryover |
本年度、タイから予定を超えて新しい検体を得ることが出来なかったため 執行額が予想を下回ったが、研究計画は来年度、エジプトから検体を得て、 計画通り進める。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
来年度、新しく共同研究が可能となれば、エジプトへ渡航して実験を行う。
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[Presentation] Genome-wide association study of HIV-related lipoatrophy in Thai patients: Association of a DLGAP1 polymorphism with fat loss.2014
Author(s)
中山英美, Uttayamakul Sumonmal, Tiphaine Oudot-Mellakh, Pimrapat Tengtrakulcharoen, Julien Guergnon, Jean-Francois Delfraissy, Srisin Khusmith,Chariya Sangsajja, Sirirat Likanonsakul, Ioannis Theodorou,塩田達雄
Organizer
第28回日本エイズ学会学術集会・総会
Place of Presentation
大阪
Year and Date
2014-12-03 – 2014-12-05
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