2014 Fiscal Year Research-status Report
インフルエンザウイルスの遺伝子変異率を規定する分子基盤の解明
Project/Area Number |
26670227
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
小澤 真 鹿児島大学, 獣医学部, 准教授 (50568722)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | インフルエンザウイルス / 遺伝子変異率 / 分子基盤 / ウイルスライブラリー |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトを含む様々な動物に感染して多大な健康・経済被害をもたらすA型インフルエンザウイルスは、RNA遺伝子をゲノムとする。RNA遺伝子の合成を担うRNA依存性RNAポリメラーゼ(RNA-dependent RNA polymerase;RdRp)には、遺伝子の転写・複製時にミスが生じた際の修復・校正機能(proofreading活性)が備わっていないため、RNAウイルスの遺伝子変異率は、DNAをゲノムとする生命体と比べて極端に高い。この遺伝的特性は、多くの子孫ウイルスが感染・増殖性を失うデメリットを伴う一方で、遺伝的多様性の観点からは大きなメリットとなる。とりわけインフルエンザウイルスの場合、その遺伝子変異率の高さが、宿主免疫からの回避や新たな宿主への適応、薬剤耐性化などに寄与していると考えられる。しかし、その分子基盤は明らかになっていない。 本研究は、A型インフルエンザウイルスの遺伝子変異率を規定する分子基盤を解明することを目的として、PB1蛋白質に備わる4つのRdRpモチーフ(全てのRNAウイルスに幅広く保存され、RNA遺伝子の転写・複製過程において中心的な役割を担う)のコード領域にランダムな変異を持つウイルスライブラリーを構築し、その中から遺伝子変異率が大きく上昇または低下したウイルスクローンを選抜して変異部位を特定する。これまでに申請者は、上記のウイルスライブラリーの人工合成に必要な全てのプラスミドの準備を完了しており、これらのプラスミドを用いたウイルスライブラリーの作出も完了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、ウイルスライブラリーの作出まで完了したため。
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Strategy for Future Research Activity |
作出したウイルスライブラリーをもとに、遺伝子変異率が大きく変化したウイルス株の選抜・分離を進め、遺伝子解析を通じて変異部位の特定を進めていく。
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Causes of Carryover |
謝金により年度途中に技能補佐員を採用し、技術指導等に時間を割いた結果、相対的に研究計画の遂行に直接関わる物品費(消耗品など)の支出が抑えられたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
技術を修得した技能補佐員と共に、多くの物品費を要する本研究計画を遂行していく。また、その研究成果を学会・学術雑誌等において積極的に発表・公表していく。
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[Journal Article] Multi-spectral fluorescent reporter influenza viruses (Color-flu) as powerful tools for in vivo studies2015
Author(s)
Fukuyama S, Katsura H, Zhao D, Ozawa M, Ando T, Shoemaker JE, Ishikawa I, Yamada S, Neumann G, Watanabe S, Kitano H, Kawaoka Y
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Journal Title
Nat Commun
Volume: 6
Pages: 6600
DOI
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