2014 Fiscal Year Research-status Report
地域包括ケアシステムの問題点ー医療通訳システムの必要性と提言
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26670257
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
服部 しのぶ 藤田保健衛生大学, 医療科学部, 准教授 (40321012)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅沼 太陽 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (00328379)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 医療通訳者 / 海外医療通訳制度 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、(1)医療通訳者の職能解明、(2)オーストラリアの医療通訳制度についての調査、(3)その他を実施した。 (1)国内、特に愛知県での調査を中心に実施した。医療通訳者へのアンケートに、職能解明について「医療通訳者にどのような能力が必要ですか」という問いを含め、その回答を得て集計が終わり、その解析を始めたところである。平成27年度も継続して、国内の別の地方で実施予定である。 (2)オーストラリア、ニューサウスウエールズ州の医療通訳システムについて現地調査を実施し、担当者へインタビューを行った。公立病院においては、医療通訳のシステムとしては、130言語に対応し、医療通訳者も、国家試験に合格していることで、その質を担保し、かつその認定も3年ごとに更新するということで、かなり整備されていることがわかった。一方、同じニューサウスウエールズ州の大学病院1か所に飛び込みで話を聞きにいったら、そのようなシステムを紹介するパンフレットもなく、様子がかなり違う印象を受けた。また、現地日本人医療通訳者1人にインタビューでき、フリーランス通訳者の実態の一例として参考になった。 (3)ドイツベルリンでの学会発表に合わせて、ベルリンの大学病院での医療通訳システムについてインタビューをした。オーストラリアとは事情が違い、国や州レベルでの医療通訳派遣システムは存在しておらず、各病院で医療従事者が多言語に対応できたり、通訳者リストを持ち、必要に応じて依頼する、ということであった。 先述のオーストラリアの国家試験についての過去に出題された問題分析を実施する予定であったが、問題の入手ができないため、予定を変更し、それに代わるものを探して実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
医療通訳者の職能解明について、国内の通訳者へのアンケートはできたが、海外の通訳者へのインタビューが、医療通訳システムについての問いに終始し、かつ、マネージャーなどへのインタビューだったため、個人のバックグラウンドまで踏み込んで質問できなかった。 オーストラリアの医療通訳制度についての調査は実施でき、日本とのシステムの違いなどが良くわかった。しかし、アメリカのケースは、できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
医療通訳者の職能解明について、平成26年度実施分のアンケート結果の分析をする。今年度は、国内の別の外国人集住地区でも通訳者に調査をし、かつ、医療通訳者派遣システムなども調査することで、求める医療通訳者像を明らかにし職能解明と結びつけたい。 地域包括ケアシステムの現状の調査も必要なので、外国人受け入れ拠点病院に選定された病院の地区での調査も考えている。 海外での調査、特にアメリカや、メディカルツーリズムの先進国タイでも、調査をしたい。
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Causes of Carryover |
購入予定として挙げていた消耗品・備品などは、必要最小限のものだけ購入し、その他は研究施設の物を使用することで十分、研究活動を実施できたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成26年度にできなかった国内の他の外国人集住地区への調査、海外の調査などに使用し、文献による情報収集のための書籍購入にも使用する。
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Research Products
(2 results)