2014 Fiscal Year Research-status Report
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26670274
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
八木 久子 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (50717832)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | アレルギー / RAST / IgE / 好塩基球 |
Outline of Annual Research Achievements |
アレルギー検査として用いられているRAST (radioallergosorbent)法は、血清中のアレルゲン特異的IgEを定量する方法として定着しているが必ずしもアレルギー病態と一致するとは限らない。近年、より症状との一致が期待できる方法として、好塩基球活性化試験(Basophil Activation Test, 以下BAT法)が開発されたが、新鮮な末梢血が必要があることや、好塩基球の含量が非常に少ないなどRAST法に比較して検査としての制約が大きい。 本研究では、RAST法の簡便さと、BAT法の正確性を併せ持つ手法を開発することを目的として、好塩基球細胞株をベースにしたアレルゲンによる活性化試験(Basophil cell Line Activation Test: 以下BLAT)法の開発を目的とする。 [1]幼弱好塩基球細胞株(KU812)の分化培養系の確立。 KU812細胞をIL4, IL-3等のサイトカインの存在下で培養し、成熟好塩基球への分化の度合いをFcεRI発現のフローサイトメトリーによる測定で評価した結果、サイトカイン刺激により若干FcεRIの発現量は上昇するものの、陽性細胞の比率は20-25%であった。 より安定して高感度な検査を確立するために、KU812細胞株のクローニングを試みた。通常の限界希釈法によるクローニングを試みたが、希釈することにより細胞の生存性・分裂能が著しく減少しクローンをえることができなかった。さらに、軟寒天内培養、メチルセルロース法によるコロニー形成法を用いてもクローンの取得は出来なかった。 現在は、フィーダー細胞を用いることで限界希釈法によるクローニングが可能であることを見出し、19種のKU812細胞クローンを得ることに成功した。今後はこのクローン細胞のうち、FcεRI発現量の高い細胞を用いて検査法の確立を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
好塩基球様培養株(KU812)のクローニングが困難であったが、フィーダー細胞を用いることで可能となった。また、得られたクローンのうち、検査に必要な条件を満たすものを見出したので、これを用いて今後の研究を進めてゆくことが可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度得られたKU812細胞のクローンを用いて、抗原特異的IgE刺激法、活性化のモニタリング法の確立を進めてゆく。 同時にアレルギー患者末梢血単核球、血清の採取、保管をおこない、RAST, BAT法との比較のための準備を進めてゆく。
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Causes of Carryover |
当初の計画では、新たに開発した好塩基球刺激試験(BLAT)と既存のBAT,RASTの比較を患者末梢血サンプルを用いて行う予定であったが、使用する細胞のクローニングが困難であったために、この部分は実施していないため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度に関しては、BLAT方の改良を計画しているが、その前に既存の方法であるBAT、RAST方との相関を見ることで、本手法の有用性を検討する。 その後、BLAT方における活性化の検出方の改良を行う予定である。
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