2014 Fiscal Year Research-status Report
光学的断層撮影型顕微鏡の開発と病理組織観察への応用評価
Project/Area Number |
26670276
|
Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
谷 重喜 浜松医科大学, 医学部, 教授 (80217116)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前川 真人 浜松医科大学, 医学部, 教授 (20190291)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 光学顕微鏡 / CTスキャン / 可視光断層撮影 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は,鏡筒光軸と観察対象なる試料ステージとが傾斜方向に回転構造を有する顕微鏡を製作よていであった.その製作過程で光源後軸と対象物投下観察像との光軸の安定性について,静止状態では安定していたが,鏡筒ならびにステージが回転する動的構造を有しているため,稼働初期と停止初期に光軸が安定しない問題点が発生した.この動的振動を減少させるために回転構造の動力源であるステッピングモーターの加速減速制御特性プログラムの改良,鏡筒およびステージへの制振装置の取り付けを行った.前記した工夫により光軸の安定性は向上したが,測定速度の低下を避けることができなかった.このため3D-CADにて装置の設計の見直しとCAEにより装置振動の有限要素法によるひずみ部分の把握や3Dプリンタによるプロトタイプ作成により振動解析シュミレーションを実行した. また,一定角度毎に撮影した透過平面画像からコンピュータトモグラフ手法により断層像や立体像を構築するプログラムの作成は,伝統的なX線CTで利用されていたフィルタ補正逆投影法(Filtered Back-propagation;FBP)を鮮鋭度やノイズ,コントラストといった古典的な画質因子の問題はあるものの確実な画像再構築プログラムとして作成評価を行った.また,画像再構築速度を高速化するために FBP法とは異なる,Ordered Subsets(OS)法によるExpectation Maximization(EM)アルゴリズムにより逐次近似画像再構成を加速する有力な手段として,この再構築プログラムも作成した.いずれの画像再構築プログラムの評価は,X線CTスキャンの評価画像サンプルを用いて,本研究で製作している画像処理コンピュータにて動作試験を行った.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
光学顕微鏡の精度は,光源,集光レンズ,対象,透過光,対物レンズ,接眼レンズを結ぶ光路軸の安定性が重要である.本研究でも光学顕微鏡が主体であるため光路の精度が要求される.しかしながら,本研究での顕微鏡は静止状態で動作させるのではなく,光路筐体とステージとが相互に回転する構造である.このため対象物を観察した画像が光路軸方向と垂直方向に振動する現象を極力抑える必要がある.このため装置光路に関わる回転部分の振動発生部を制振する物理的方法やプログラム的方法で低減化する構造への変更に時間を要している.また,全体的な筐体の剛性も見直し,堅牢な筐体設計を進めているところである.
|
Strategy for Future Research Activity |
開発している顕微鏡筐体の剛性を強化するとともに,光軸を安定させるための物理的光軸ぶれ補正,また,ソフトウエアによる光学振動を除去する方法も組み合わせる予定である.この過程を経て順次本研究課題の内容を遂行する.
|
Causes of Carryover |
製作している装置の光学安定性を向上さあ焦るために,筐体剛性の極めて高い装置本体の再設計を行ったところ,当該年度助成金と翌年度助成金を含めた装置製作に費用が発生すると考えられたために,適切な装置作成の完成度をたかめるために次年度計画に合わせた.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
前記,利用にも記したように,装置筐体の堅牢化設計と製作に費やすことにより,本研究の目的とする完成度の高い装置製作結果を得るために次年度使用額と合わせて研究目的における装置製作を行う予定である.
|