2015 Fiscal Year Annual Research Report
光学的断層撮影型顕微鏡の開発と病理組織観察への応用評価
Project/Area Number |
26670276
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
谷 重喜 浜松医科大学, 医学部, 教授 (80217116)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前川 真人 浜松医科大学, 医学部, 教授 (20190291)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 光学的CT / 微小断層装置 / 画像再構築 / コンピュータトモグラフ |
Outline of Annual Research Achievements |
光を利用したフォトンCT などは,人体の内部組織の光吸収度の大きさや光分散の強さによる困難から実用的な装置の開発に至っていない.本研究では,観測対象をマクロな視点をミクロな視点へと移し,光学的透過性が十分にある組織細胞切片や遊離細胞(血球など)を対象とした.これらは,光学顕微鏡領域の微小試料サイズではあるが,光透過性があるゆえに光学的観測が行われている.この特性を利用できる試料サイズに限定されるが,三次元による微細構造の観察や断層像の再構築を行うものである.この実現のために鏡筒光軸と観察対象なる試料台ステージとが傾斜方向に回転構造を有する顕微鏡を製作した.しかし、より十分な観測領域を得るために,試料を透過性キャピラリ状チーブに入れ,外周囲から観測方法も行った.観測を行う光の波長を可視光領域だけでなく赤外線領域にまで広げ組織透過性を向上することにより対象となる試料の厚みの選択範囲が広げる試みも行ったが,光源波長域の光誘導にファイバーを利用したが,この透過特性に制限を受ける.また,同様に光受光素子の波長特性にも制限を受ける.一定角度毎に撮影した透過平面画像からコンピュータトモグラフ手法により断層像や立体像を構築するプログラムの作成は,バックプロジェクション法と,画像再構成速度を上げる目的で逐次近似法を利用した.分光機能に関しては,光源と受光素子との間の光透過性に依存するため,波長ごとの光透過性強度を揃えることができた試料条件では,RGBの特性3波長による合成ではあるが疑似的カラー断層像を試験サンプルにて再構築は可能である.さらに実用化に向けては光散乱性を抑制するフィルター装置の光路への挿入と十分な明るさが得られる分光光源を減衰の少ない光ファイバーで誘導することが必要である.今後,透過光源の均一性と等分散性を向上させること重要性に着眼し,多様な試料での検証を試みるものである.
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