2015 Fiscal Year Annual Research Report
関節リウマチ患者におけるプログラニュリンおよびグラニュリン測定意義
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26670278
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
齋藤 邦明 藤田保健衛生大学, 保健学研究科, 教授 (80262765)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 康子 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00331869)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | プログラニュリン / 関節リウマチ |
Outline of Annual Research Achievements |
プログラニュリン(Progranulin;PGRN)は、グラニュリン/エピセリン・プレカーサー蛋白質として同定された血管新生並びに増殖因子である。これまでに、関節リウマチ(Rheumatoid arthritis、RA)においてPGRNがTNF受容体と結合して炎症抑制作用を示し、一方で、PGRNの分解産物であるグラニュリン(GRN)が炎症促進作用を有し、その分解はエラスターゼで調節されていることなどが明らかにされている。これらの分子の動態とその変動はRAの診断と治療のターゲットとして注目されているが、血中のPGRNの動態に着目して、臨床検体における測定意義を明らかにしようとした報告は見られない。そこで、本研究では血清中におけるPGRN基準値の設定を行い、RA症例における血清PGRN測定の有用性の検討を行った。 健常人における血清PGRN基準値は40.1±8.7ng/mlであり、年齢差、男女差は見られなかった。変形性関節症(Osteoarthritis;OA)は45.4±6.6ng/ml、RAは50.2±11.1ng/mlであり、健常人に比較して有意に血清PGRNの増加がみられた。また関節液における値は、OA症例に比較してRA症例において顕著に高いことが明らかとなった。血清PGRN値は、血清TNF-α(r=0.373)およびsTNFRⅡ(r=0.309)と弱い相関がみられた。免疫組織染色による検討により、PGRN産生細胞は関節組織に浸潤している免疫系細胞であることが明らかとなった。 本検討によりRA症例において血清PGRN測定は、臨床的予後予測分子および薬効予測分子として有効である可能性が示された。
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Research Products
(3 results)