2015 Fiscal Year Annual Research Report
インスリン抵抗性及び炎症のバイオマーカーとしての非コレステロールステロールの検討
Project/Area Number |
26670285
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
塚本 和久 福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (20251233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蔵野 信 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (60621745)
原 眞純 帝京大学, 医学部, 教授 (70420213)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 非コレステロールステロール / インスリン抵抗性 / 炎症 / 動脈硬化 / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
1.動物を用いた基礎研究① 植物ステロールと炎症、および糖代謝の関連:ABCG5/8欠損ホモ接合体マウスはヘテロ接合体と比較して、通常食下では体重増加・臓器重量に相違はないものの、肝臓および脂肪組織における炎症性サイトカインの発現量が増加していた。高脂肪食負荷下では、ホモ接合体はヘテロ接合体と比較して体重増加は緩やかであり、肝重量・精巣周囲脂肪重量は少なく、炎症性サイトカインの発現量は低下していた。高脂肪食負荷ABCG5/8欠損マウスでは、ホモとヘテロ間に空腹時血糖値やインスリン値に変化は認めなかった。 2.動物を用いた基礎研究② 肝臓内コレステロール代謝経路と糖代謝・炎症との関連:胆汁中へのコレステロール排泄を抑制するNPC1L1過剰発現マウスでは、筋肉や肝臓でのインスリン感受性には変化を認めなかったが、肝臓での糖新生抑制により血糖値が改善した。LDL受容体発現マウス、HMG-CoA還元酵素あるいはラノステロール合成酵素発現マウスでは、インスリン感受性亢進による血糖値の改善を認めた。 3.ヒト検体を用いた臨床研究:健診受診者185名(糖尿病11名、非糖尿病174名)、外来通院中の非糖尿病患者(5名)および糖尿病患者(35名)の空腹時血清を用いて、サイトカイン測定、ステロール精密分析を行った。糖尿病患者は非糖尿病患者よりも有意にHOMA-IRが高くHOMAβが低かったが、IL-6やTNFαの炎症性サイトカインは低く、吸収マーカーステロールと合成マーカーステロールの比は糖尿病患者で高値であった。全例での解析で、IL-6およびTNFαはデスモステロール・ラノステロールと正の相関、吸収マーカー/合成マーカー比と負の相関を認めた。非糖尿病症例のみの解析ではIL-6はHOMA指数とは相関はないもののラノステロールと正の相関を示し、吸収マーカー/合成マーカー比と負の相関を示した。TNFαはHOMAβと正の相関を示したが非コレステロールステロールとの相関は認めなかった。
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Research Products
(8 results)