2015 Fiscal Year Annual Research Report
新規アトピー性皮膚炎モデルを用いた掻痒惹起メカニズムの解明
Project/Area Number |
26670287
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
福井 宣規 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (60243961)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | シグナル伝達 / 生体分子 / 細胞・組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
痒みは生体恒常性の破綻の結果生じる最も不快な感覚の一つであり、国民の7~15%がアトピー性皮膚炎に罹患しているという現状を鑑みると、その対策は急務である。申請者は最近、ヒト高IgE症候群の責任分子として注目を集めているDOCK8の遺伝子改変マウスを作製し、このマウスが掻破行動を伴う重篤なアトピー様皮膚炎を自然発症することを見いだした。本研究は、掻痒の惹起に働く生体分子を同定し、その産生制御機構を明らかにすることを目的として実施し、以下の結果を得た。 1) このマウスでは、IL-31が異常高値を示す。IL-31の受容体は、IL-31受容体αサブユニットとオンコスタチンM受容体 (OASMR) のヘテロダイマーから構成される。そこでOSMRノックアウトマウスを用いて、mutDOCK8マウスの病態がIL-31シグナルに依存することを実証した。 2) CD4+ T細胞を対象に詳細な遺伝子発現解析を行った。その結果、IL-31の産生に重要なマスター制御分子を同定し、その作用機序を解析すると共に、ノックアウトマウスを準備した。 3) IL-31の発現誘導に重要なDOCK8の機能ドメインを同定すると共に、機能ドメインに会合する分子を探索した。また、上記で同定した分子とDOCK8の機能的リンクを実証した。 4) DRGニューロンを対象に遺伝子発現解析を実施し、痒みの伝達に関与する新たな分子の探索を行った。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Intronic regulation of Aire expression by Jmjd6 for self-tolerance induction in the thymus2015
Author(s)
Yanagihara T, Sanematsu F, Sato T, Uruno T, Duan X, Tomino T, Harada Y, Watnabe M, Wang Y, Tanaka Y, Nakanishi Y, Suyama M, Fukui Y.
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Journal Title
Nature Commun.
Volume: 6
Pages: 8820
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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