2014 Fiscal Year Research-status Report
線量分布の近似度を基準とする新しい患者位置合わせの法の研究
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26670295
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
土橋 卓 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70399806)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 放射線治療 / 位置合わせ |
Outline of Annual Research Achievements |
放射線治療では、治療前に撮影したCT を元に線量分布を計算し、治療に最適な照射方向や照射野形状を決める。計画通りの線量分布を実現するには、患者を適切に治療寝台上にセットアップする必要がある。そのため、治療寝台上の患者をX 線撮像装置で撮影し、その画像が計画時CT と可能な限り一致するように患者の位置合わせを行う。この従来の方法は、画像の一致度が線量分布の一致度を反映することを前提としている。しかし、対象が人体のように剛体でない場合、画像の一致度が線量分布の一致度と同じである保障はない。本研究は、位置合わせ時に高速に線量計算を行い、画像の一致度ではなく線量分布そのものの一致度に基づいて位置合わせを行うことで、位置合わせ誤差を低減する新しい手法を提案する。そのための基礎的検討が本研究の目的である。 本研究では、線量分布に基づく位置合わせによる照射精度の向上を最終目的としているが、そのためには、まず、従来の画像位置合わせ法で生じる線量誤差を評価する必要がある。本年度はこのため、治療中に取得したコーンビームCT画像に基づき、治療期間中の臓器の位置変動を把握することを目的とした。この解析には、東北大学病院で取得した前立腺患者のコーンビームCT 画像を用いた。コーンビームCTにより、治療期間中の臓器の三次元的な変動を把握することが可能である。Dose volume histogram (DVH) による線量分布評価判定のため、患者10例、各患者約10回のコーンビームCT画像(計100回の照射)に対し、計画標的体積と危険臓器を手動で囲み、線量分布の評価の基礎データを構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年度に計画していたコーンビームCT上での臓器輪の決定はほぼ予定通りに終了した。研究計画では平成26年度中にコーンビームCT上での線量計算を行う予定であったが、コーンビームCT画像を手動で囲むのに要する人的な労力が予想よりも大きかったため、線量計算まで評価することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
線量分布計算については、平成26年度中にすべてを評価することはできなかったものの、一部のデータについてはすでに計算を進めている。平成27年度は引き続き線量計算評価行いこれを完成させる。また、線量計算の自動化のために、新たに、自動スクリプト処理可能な治療計画装置を利用し、研究効率を向上させることも検討している。
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Causes of Carryover |
平成26年度で行ったコーンビームCT上の輪郭決定は東北大学病院で臨床に用いている治療計画装置を用いて遂行可能であったこと、及び、線量計算の本格的な計算は平成27年度に持ち越したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は平成26年度に行う予定であった線量計算分布評価を行うために必要な計算機およびソフトウェアを購入する。また、予算内で購入可能であれば、スクリプト処理可能な治療計画装置を購入することで、線量計算の自動化によ研究の効率化を図る。
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