2014 Fiscal Year Research-status Report
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26670297
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
岩田 高広 山形大学, 理学部, 教授 (70211761)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | MRI / 超偏極 / キセノン / スピン / 能動核偏極 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、肺や心臓などの活動的な臓器に対するダイナミックな撮像を可能にするポテンシャルを有する超偏極MRIの高度化を視野に、高純度の固体ゼノン(Xe)の超偏極を能動核偏極(DNP)によって初めて実現するため、DNPに必要な不対電子を固体Xe中に導入するための新たな手法を提案し、その検証実験を行う。当初、少量(数%wt)のイソブタノールを混合した液体Xeに紫外線を照射し、イソブタノールの分子結合を切断し、ラディカル分子を生成するという、技術的に難しく、手間がかかる手法を構想していた。しかし、近年ボールミルによるMA法(機械的合金法)と呼ばれる手法によって異種の固体をナノメートルレベルで合金化できるようになってきたため、この方法を利用して固体Xeに直接フリーラディカルを混合する方向で研究を進めている。このため、ボールミルを液体窒素温度で利用するための改造、低温での電子スピン共鳴の方法などの整備を進めてきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
MA法は最近使われ始めた手法であり、液体窒素温度での利用はあまり一般的ではない。特に沸点が160K付近のXeについては、ボールミルの粉砕部の温度をそれ以下に保つちながら粉砕を続ける必要がある。市販のボールミルにコールドボックスを取り付ける、液体窒素を時間をおいて落とし込む方法では30分ほどの粉砕時間を確保することが限界である。 このため、ボールミルに液体窒素を定常的に自動的に注入しながら粉砕混入をするシステムの構築に向けて試行錯誤を続けてきた。
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Strategy for Future Research Activity |
液体窒素容器から直接液体窒素をボールミルに注入でき、その量をバルブでコントロールできるシステムを構築した。今後はこれを利用して実際に固体Xeへのフリーラディカルの粉砕混入を実施し、低温でのESR測定によってフリーラディカルの分散状況を確認する。
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Causes of Carryover |
研究の進展が必ずしも期待通りではなかったため、研究発表を見送ったため、旅費を使うことができなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
H27年度に研究の進展を物理学会等で報告するため、旅費を使用する。
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