2015 Fiscal Year Annual Research Report
高圧過飽和溶液を利用した革新的な超音波診断造影剤の開発
Project/Area Number |
26670303
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
立花 克郎 福岡大学, 医学部, 教授 (40271605)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 超音波 / 飽和溶液 / マイクロバブル |
Outline of Annual Research Achievements |
実験方法:(過飽和溶存水の作成)超純水と空気を回転数1725rpmの自給式ロータリーベーンポンプ(2606,Nippon Oil Pump,Ltd)により混合し、0.6MPa,277Kの条件で加圧を行った。加圧後、溶存気体の気泡化を防ぐため、レイノルズ数が28000とるようにチューブにより緩やかに常圧まで減圧することで過飽和溶存水を作成した。(細胞検体の作成)HL -60(ECACC)細胞をFBSを10%添加したRPMI 1640培地(1060124,DS Pharma)にて培養し、最終濃度が5.0×106となるようウェルに播種した。過飽和溶存水で作成したRPMI1640に最終濃度が0.7μg/mlとなるようにPropidium iodide(PI, Sigma Chem. Co.)を混合し、各ウェルに200μL滴下し、ピペッティングにて攪拌をおこなった。また、比較条件には超純水で作成したRPMI1640培地を用いた。超音波プローブをパルスジェネレータ(AFG3012,Tektronix)及びアンプ(HSA4101,エヌエフ回路)に接続し、入力波形、周波数及び電圧を変更可能な超音波付与システムを構築した細胞に照射した。
実験結果:細胞への薬物導入過飽和培地による導入を行った細胞の顕微鏡Trypan blueで染色されず、PIに染色されていた。PIは、細胞内の2本鎖DNAと結合して蛍光を呈することから、TBに染色されず、PIに染色された細胞は、生存している状態でPIが細胞内に導入されたとすることができた。PIが導入された生細胞数を総細胞数で除することで、本実験におけるPIの導入効率を上げることに成功した。 以上の結果から過飽和溶液水に気泡があり、超音波造影効果と殺細胞効果の両方の用途に応用できることが示唆された。
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