2015 Fiscal Year Research-status Report
炎症・免疫マーカーにより慢性疼痛の病態を解明し予防する
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26670309
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
中村 和利 新潟大学, 医歯学系, 教授 (70207869)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 慢性疼痛 / C反応性タンパク / 生活習慣 / コホート研究 / 炎症 / 認知 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度には、主に生活習慣病マーカーのデータ収集、整理および基礎集計・解析を行った。検診データは4028人より、血中25-hydroxyvitamin Dは8498人より得られた。健診データの平均値 (標準偏差)に関しては、収縮期血圧126mmHg (17)、拡張期血圧76mmHg (11)、総コレステロール202.5mg/dL (32.0)、中性脂肪130.7mg/dL (96.9)、HDLコレステロール60.3mg/dL (15.1)、LDLコレステロール114.5mg/dL (28.3)、血糖値107.9mg/dL (29.3)、ヘモグロビンA1c 5.3% (0.5)、ヘモグロビン13.6g/dL (1.5)であった。血中25-hydroxyvitamin Dの平均値は50.3nmol/l (18.2)はであった。二変量解析 (ロジスティック回帰分析)により慢性疼痛の有無との関連では、年齢OR=1.02 (P<0.001)、BMI OR=1.06 (P<0.001)、収縮期血圧OR=1.00 (P=0.428)、拡張期血圧OR=0.99 (P=0.001)、総コレステロールOR=1.00 (P=0.542)、中性脂肪OR=1.00 (P=0.699)、HDLコレステロールOR=1.00 (P=0.108)、LDLコレステロールOR=1.00 (P=0.282)、血糖値OR=1.00 (P=0.330)、ヘモグロビンA1c OR=1.09 (P=0.225)、ヘモグロビン OR=0.97 (P=0.179)、25-hydroxyvitamin D OR=1.00 (P=0.272)であった。以上より、年齢、肥満傾向、拡張期血圧と慢性疼痛の関連性が示唆された。また、本コホート研究の5年後予備調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度の計画は、「コホート研究データのクリーニングおよび加工を行い、慢性疼痛(有病をアウトカム)との関連性を明らかにすること」であった、生活習慣データを昨年度に大半のデータクリーニングを行なえたため、今年度にデータ整理を完了した。健診データおよび血液検査を予定通り完了することができ、多変量解析を行なえていないこと以外は、ほぼ今年度までの計画を予定通りに行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は慢性疼痛の部位別有病率と生活習慣、バイオマーカーの関連性を多変量解析により行なう。また、本コホート研究の5年後調査により、慢性疼痛の新規発生データが得られるため、その罹患をアウトカムとした解析も行い、全体を総括する。
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Causes of Carryover |
旅費の支出が予定より少なくすんだため、次年度使用額が生じた。しかし、次年度使用額の7,438円はH27年度予定使用金額の0.9%であり、ほぼ予定通りに使用したと言えるため問題はない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は最終年であり成果の報告が重要となる。次年度使用額を利用することにより、地域への成果報告をより丁寧に行なうことができ、そのように利用する。
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