2015 Fiscal Year Annual Research Report
健康寿命延伸を目指した北海道内新規コホート研究実施のためのパイロットスタディ
Project/Area Number |
26670322
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
玉腰 暁子 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90236737)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 健康寿命 / コホート研究 / パイロットスタディ |
Outline of Annual Research Achievements |
北海道内の異なる特性を持つ複数の市町村を対象に約2万人規模で計画している、生活習慣・心理状態、遺伝要因、社会環境を同時に詳細に調査して複合的に健康寿命の延伸を目指すコホート研究のパイロットスタディをA町にて実施した。 質問紙調査項目は、昨年度、A町行政担当者、診療所職員らと協力し開催した地域住民との対話会の中で把握した地域の健康問題、10-20年先の将来予測像とそのために今住民が求めていること、家庭医として地域住民に関わる診療所の意見も参考に、今までに使われている自記式調査票や尺度化された心理調査などを取り入れて確定した。調査にあたっては、A町内を町内会単位に区分し、できるだけ多くの住民(3歳以上を予定)から協力を得るため、自記式調査票は各戸配布、回収は郵送式に加え、役場等の拠点でのボックス回収ならびに訪問回収を併用した。さらに、血液・尿等の生体試料の収集のみならず、妥当性の確立した客観的な運動量評価(加速度計)、体力評価、身体組成評価については、公民館を中心にアドホックに会場を設営し実施した。パイロットスタディを経て、最終的に対象地域住民約3000名のうち、調査票調査に約7割、集合型調査に約3割のものが参加した。 このような高い参加率が得られたのは、準備段階から有識者のみならず行政、医療機関、地域住民の参画も促し、住民のエンパワメントを引き出しながら進めたこと、ならびに行政の協力によるところが大きく、新しい地域における研究の形の提案となる。得られた成果は、今後さらに高齢化の進む日本において健康寿命の延伸に資する情報を提供し、行政と住民が一体となった保健対策へとつながると期待される。
|