2016 Fiscal Year Research-status Report
母子保健および少子化対策は、いかなるソーシャルキャピタルを活用すべきか
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26670333
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
上床 太心 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (50709350)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋葉 澄伯 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (50145554)
郡山 千早 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (30274814)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ソーシャル・キャピタル / ソーシャル・ネットワーク / 親子保健 / 少子化対策 / 理想子ども数 / 予定子ども数 |
Outline of Annual Research Achievements |
27年度までに完了した<研究1.母子保健指標とソーシャルキャピタル(以下、SC)関連要素についての地域相関研究> <研究2(1).高出生地域における質的研究> <研究2(2).Feasibility研究> の結果をもとに、27年度から引き続き主調査である <研究2(3)高出生地域と対照地域における量的研究> を継続している。計画した4つの調査地域のうち3地域(①鹿児島県A島:合計特殊出生率/高位、乳幼児健診受診率・う歯有病率等の母子保健指標/低位、②鹿児島県B市:同/中位、同/中位)③鹿児島県C市:同/低位、同/高位)で調査が完了した。調査員確保困難のため開始が遅れていた④鹿児島県D島(同:高位、同:高位)においても第2四半期に調査開始。それぞれの調査地の起始日以降の1歳6月および3歳児健診の全ての受診児と保護者を対象に調査を行い、調査結果は逐一電子化している。28年度までの調査数は、A島420組、B市478組、C市349組、D島159組であった。 次年度もこの調査を継続した上で総合的に結果を解析するが、調査が完了したC市のデータを用いて、母親の「理想子ども数」と「予定子ども数」について一部解析を行った。これによると母親の「初産年齢」が低いほど理想/予定子ども数が多い傾向にあったが、母親の「年齢」 「きょうだい数」 「学歴」 「就業の有無」との関連はなかった。母親の「ソーシャル・ネットワーク」が大きいほど、また「地域社会に対する認知」がポジティブなほど、理想/予定子ども数が多い傾向にあった。わが国の平均理想子ども数と平均予定子ども数の減少が続く現状では、経済・雇用環境保育・教育環境のみならず、ソーシャル・ネットワークやソーシャル・キャピタルとの関連にも注目して、研究・対策を進めていく必要があることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
上記の本調査<研究2(3)高出生地域と対照地域における量的研究>について、第4の調査地D島において、調査員確保の遅れ等により調査の開始が遅れ、当初予定していた28年度内に調査が完了しなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
進捗遅れの原因となったD島における調査も、調査開始後は順調に調査が進んでおり29年度第2四半期で調査が完了する見込みである。結果の解析については、既に部分的な予備解析を進めており、調査完了後直ちに総合的な解析に入ることが可能である。
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Causes of Carryover |
<研究2(3)高出生地域と対照地域における量的研究>にかかる疫学調査の進捗が遅れたため、28年度に計画していた調査の一部が29年度に持ち越しとなり、結果として解析や結果発表に遅れが生じたため、役務費、旅費、物品費等にそれらにかかる支出が計画より少額となり、これが次年度使用額となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
29年度に持ち越した疫学調査にかかる役務費、結果解析に必要な物品費、結果公表のための旅費等に使用する計画である。
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Research Products
(1 results)