2015 Fiscal Year Annual Research Report
電子タグによる内服薬個別管理手法の確立に向けた研究
Project/Area Number |
26670345
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
近藤 克幸 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30282180)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大佐賀 敦 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00396433)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 電子タグ / RFID / 内服薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
内服薬の管理は医療安全上重要な課題であり,適切な管理や事後評価の仕組みがますます重要となってきたが,個品単位で管理できる仕組みは構築できていない.一方,最近,我が国の技術力を背景に超小型電子タグが開発されてきた.本研究では超小型電子タグの特性を十分に生かして高いユーザビリティのもとに内服薬の個別管理を実現に向けた検討を行った. 内服薬はその物理的制約(大きさや形態等)から,個品単位ではなくシートや薬袋単位で管理せざるを得なかった.一方,超小型電子タグはサイズの制約が極めて少なく,様々な箇所に装着できる利点はあるが,認証可能な距離は極めて短い.本研究ではこの特性を逆手にとり,内服薬のPTPシートのタグを装着して個々の薬剤の開封状況を簡便に検知し,医療機関内はもとより,在宅においても,高齢者も容易に使用できる仕組みを考案した.具体的には偽薬を格納したPTPシートに超小型電子タグを装着し,開封によるシートの変形によってタグの情報が読み取りできなくなったことを検出し,服薬状況をモニタリングすることを想定して実験を行った.その結果,タグのサイズによって装着の容易さは当然生じるが,シートへの装着は可能であり,個々の薬剤の開封状態を検出しうるものと考えられた.タグのサイズや種類によって未開封状態での読み取りや開封状態の検出には差異があり,アンテナや出力の調整最適化が必要なほか,PTPシートの表側に装着した場合は内部の薬剤の目視確認に支障をきたす可能性もあるため,実際の装着方法には工夫が必要だが,このサイズまで小型化が図られた電子タグを利用すれば内服薬の服薬状況を個品単位で管理できるシステムの構築も十分可能と思われ,服薬指導や薬剤のトレーサビリティ管理,治験等における服薬状況の客観性の確保にも有効な手段と考えられた.
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