2014 Fiscal Year Research-status Report
心腎連関の分子機構の解析-法医診断に有用な指標の探索-
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26670358
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
木村 章彦 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (60136611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野坂 みずほ 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (00244731)
石田 裕子 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (10364077)
近藤 稔和 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (70251923)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 心腎連関 / 心肥大 / IFN-gamma / 利尿ペプチド / サイトカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
大動脈弓部結紮圧負荷マウスモデルにおける心肥大の研究過程で、IFN-gamma遺伝子を欠損したマウス(KOマウス)では、強い圧負荷により急性の強い腎障害が惹起することを見出し、このモデルにおける腎障害の病態形成に関わる因子を明らかにすることを目標に研究を進めている。 26年度における研究は、BALB/c(野生型)とKOマウスにおける心臓および腎臓の病態の違いを明らかにした。28Gの注射針の太さに両系統マウスの大動脈を結紮して3日目まで経時的に血中尿素窒素(BUN)およびクレアチニン(CRE)を測定し、KOマウスのみにBUN、CREの著しい増加を認めた。結紮後2日目のKOマウスの腎組織では著明な好中球浸潤を認め、尿細管のapoptosisと二次的な壊死像を認めたが、野生型マウスでこれらの変化は認めなかった。一方、結紮3日目の心臓は、野生型マウスでは有意な代償性心肥大を認めたが、KOマウスでは有意な肥大を認めなかった。しかし、心エコーでは両系統のマウスの心臓に有意な機能の低下は認めなかった。3日目の心臓および腎臓における遺伝子発現をreal-time RT-PCRにより解析すると、KOマウスの心臓および腎臓において炎症性cytokine(IL-1beta、IL-6、TNF-alpha)の有意に高い発現を認めた。一方、心臓における利尿ペプチド(ANP)の遺伝子発現の増加は野生型マウスの心臓においてのみ認めた。このことから、KOマウスにおいてANP発現増加を欠くことが腎障害に繋がることが予想される結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書に記載した実験計画はおおむね順調に進行しており、心腎連関の鍵となる分子の候補の特定に近づきつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の実験計画を予定通りに実施して行くが、出来るだけ早く論文として投稿することを心がける。
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Research Products
(1 results)