2014 Fiscal Year Research-status Report
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26670368
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
藤田 祐司 横浜市立大学, 附属病院, 指導診療医 (70714814)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 淳 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30326037)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 過敏性腸症候群 |
Outline of Annual Research Achievements |
過敏性腸症候群(IBS)は外来患者の3割以上にも及ぶ疾患で消化器内科や心療内科のみならず広く内科医一般が遭遇するCommon Diseasesの一つであるがその病態は明らかになったとは言えない。今回の研究は我々が世界に先駆けて小腸運度の詳細な異常を解析できるシネMRI検査法を用いてIBS患者の小腸運動異常を明らかにし、合わせて小腸運動異常と腸内細菌異常増殖、腸管透過性の亢進の有無などを検討して以上3つの病態異常が相互に相関しているのか等を明らかにすることを目指したきわめて独創性の高い萌芽的研究である。IBS患者ではどのような小腸運動の質的異常があるのかを明らかにすることは本疾患の根幹をなす内臓知覚過敏獲得のメカニズム解明につながる知見を提示できる可能性のみならず新たな治療法の開発につながる可能性がある。平成26年度はIBS患者のシネMRI解析では腸管径、収縮率、収縮周期の3項目をIBS患者で検討、平均腸管への異常は認めなかったが収縮率の有意な低下を認めた。 腸管透過性試験(LAMA試験, Lactulose mannitol challenging test)の検討では被験者にLactulose/Mannitolを内服させ6時間後に採尿し尿中L/M日の定量を行う。LactuloseもMannitolも腸内で分解代謝されないが、単糖類であるmannitolは腸管壁を通過するが2糖類であるlactuloseは通常は通過しないので尿中に検出されない原理であるが、結果の解析にはHPLCでは困難でありLC/MSでないとできないことが判明したが現在ほぼ問題点をクリアーしLC/MSで検査ができる体制が確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
困難だった腸管透過性試験の確立に成功したから。 今回の研究では当初予想しない好結果である「チューブのステンティング効果」の発見の意義は大きい。この点は極めて萌芽的であると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
腸管透過性試験を確立した以上患者での検討に進みたい。 今回新たに発見した知見をもとに今後はその知見の真偽の確認を確実かつ精力的に行う予定である。
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