2014 Fiscal Year Research-status Report
イースタンブロット法を利用した漢方薬アレルギー診断システムの開発
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26670373
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Research Institution | Nagasaki International University |
Principal Investigator |
森永 紀 長崎国際大学, 薬学部, 准教授 (60465771)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 漢方薬 / アレルギー / モノクローナル抗体 / イースタンブロット法 / フラボノイド |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、抗原抗体反応を基軸とした生薬成分特異的イースタンブロット法を用いて、副作用報告例のある漢方薬に配合される生薬の主要な成分をターゲットとして、漢方薬アレルギー診断・検査方法の確立を目標としている。本年度はアレルゲン特異的抗体の検出について実験検討、文献調査を行った。 1.生薬成分の中のフラボノイド化合物のうち、カンゾウのリクイリチン、オウゴンのバイカリン、チンピのへスぺリジンについて特異的モノクローナル抗体の作製に成功し、これらの抗体を用いたリクイリチン、バイカリン、へスぺリジンの超高感度なイースタンブロット法の開発に成功した。 2.生薬エイジツに含まれるフラボノール配糖体のマルチフロリンAに対する特異的モノクローナル抗体の作製に成功した。 3.生薬サイコの主要なフラボノイドに関する文献調査を行い、抗原となり得る化合物を特定した。 アレルゲンになり得る生薬の有効成分に対する特異的モノクローナル抗体が作製されたことから、これらのフラボノイド化合物が漢方薬アレルギーを引き起こすアレルゲンである可能性を示唆する結果が得られた。また、これまであまり知られていない生薬サイコのフラボノイドに関しても有用な化合物情報が得られており、モノクローナル抗体作製のターゲットを確定できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
漢方薬アレルギーについて、アレルゲンのターゲットをフラボノイド化合物と特定し、イースタンブロット法が実施可能であることも検証出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、アレルゲンのターゲットであるフラボノイド化合物を含有する生薬エキスをマウスへ投与し、生体内での抗体誘導の有無を確認する。その際、IgG抗体だけでなくIgE抗体も指標として生体内でのアレルゲン特異的抗体の有無をイースタンブロット法を用いて検討する。
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Research Products
(3 results)