2014 Fiscal Year Research-status Report
Direct reprogramming法による疾患特異的肝内胆管上皮細胞の作製
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26670376
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
上野 義之 山形大学, 医学部, 教授 (70282126)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 線維芽細胞 / トランスフェクション / レトロウイルス / 形質転換 / 遺伝子導入 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は胆管上皮細胞へとdirect reprogrammingに必要な因子は何であるかということの基礎検討のために先ず線維芽細胞の細胞株を用いてトランスフェ区ションの方法についての基礎的検討を行った。一般的にトランスフェクションに用いられる方法はlipofectionやgene pulse法などがあるが、今年度の検討ではリポフェクタミンを用いるlipofection法を採用した。その結果、ある因子の単独の遺伝子導入は両行で会ったものと、複数の遺伝子導入、とりわけ4つ以上の因子の遺伝子導入に関しては、導入される因子のtransfection効率が安定しないという問題が生じていた。この不安定さを回避するために、複数の遺伝子導入法を用いる方法、最初からベクターに複数の因子を組み込んだものを一度のトランスフェクションする、などといった変法を試みたが、いずれも成功せずレトロウイルスによるトランスフェクションを採用して、複数の因子をそれぞれ別個に導入して、各因子毎の効率を検討することを行った。また、導入された細胞がいかなる形質転換がなされたかということを検証するために、上皮細胞より分泌される因子の発現を定量的PCR法にて行った。その結果いくつかのトランスフェクションが成立した細胞株では、一部肝胆膵領域の上皮細胞に発現が認められる因子の産生を確認するに至った。しかし導入する遺伝子の効率の違いにより作成できる場合の頻度が極端に異なるために、安定的に形質転換を行い得たという段階ではなく、今後はさらに各因子の導入効率を安定させるべくレトロウイルスベクターの選択や導入法についてさらなる調整が必要と判断した。平成27年度はより向上した遺伝子導入法に基づき実際のヒト線維芽細胞の初代培養株にトランスフェクションを行い、形質転換が効果的になされるかどうかを検討する。また、現在複数ある遺伝子導入因子のさらなる絞り込みが可能かどうかについても検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
トランスフェクション自体は実施することができ、一部形質転換がなされたことは確認したが、その公立がまだまだ安定しておらず、その成果を公表できるまでに至っていない。また、遺伝子導入する因子についても現行の因子で必要十分なのかの確認もできていないため、将来の実用化に至る前に十分この点での基礎検討も必要であることがわかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
新年度ではレトロウイルスベクターの複数回実施による遺伝子導入を行い、線維芽細胞の形質転換を安定して行う。その際に用いる細胞を線維芽細胞株とともに健常人から採取した口腔内線維芽細胞初代培養に応用することを今年度の目標とする。そのために必要な施設内倫理審査も終了しており、安定的な実験条件が整い次第直ちに実施に移れる状態となっている。
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Causes of Carryover |
平成26年度は当初予定していたヒト献体からの初代細胞への遺伝試験導入ではなく、これまで保持していた線維芽細胞株を用いたため、分離培養に関わる経費と試薬が平成27年度に持ち越しとなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は、上述のヒト線維芽細胞の分離と培養に多くの時間と費用が費やされる見込みである。分離のための消化酵素薬と、初代培養のためのコラーゲンなどの細胞外マトリックスの購入費用やディスポーザブルの培養器具を大量に購入する見込みである。
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[Journal Article] Regulation of the histamine/VEGF axis by miR-125b during cholestatic liver injury in mice.2014
Author(s)
Meng F, Onori P, Hargrove L, Han Y, Kennedy L, Graf A, Hodges K, Ueno Y, Francis T, Gaudio E, Francis HL.
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Journal Title
Am J Pathol.
Volume: 184
Pages: 662-73.
DOI
Peer Reviewed