2015 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノムワイド関連解析による心肥大感受性遺伝子の探索
Project/Area Number |
26670409
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
佐野 元昭 慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (30265798)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 左室肥大 / ゲノムワイド関連解析 / メタ解析 / 心電図 |
Outline of Annual Research Achievements |
左室肥大は単なる圧負荷に対する適応応答ではなく、突然死、心筋梗塞、心不全の独立した危険因子である。心電図検査は、左室肥大を診断する手段として使われるがSokolow-Lyon電位(SV1 + RV5)を用いた左室肥大の診断が最適化されているか検証されていない。そこで、心電図のSV1(V1のS波の深さ)、RV5(V5のR波の高さ)を決めている環境要因と遺伝的要因を明らかにすることを試みた。Japan PGx Data Science Consortium (JPDSC)が保有する連結不可能匿名化された日本人ボランティア健常人約3000人のデータを用いて解析を行った。SV1、RV5を従属変数、年齢、性別、身長、体重、BMI、心拍数、収縮血圧、拡張期血圧、血清のK, Caの値を独立変数として多変量解析を行った。次に、環境要因で補正したSV1, RV5, SV1+RV5 に対して、ゲノムワイド関連解析を行った。 [結果]SV1とRV5は環境要因と遺伝的要因から異なった影響を受けていることが明らかになった。年齢が上昇、BMIが高いとSV1が減高するが、RV5は年齢やBMIよる影響を受けにくい。心拍数が上昇するとRV5は減高するが、SV1は心拍数の影響を受けにくい。RV5はSV1よりも遺伝的多様性による影響を強く受ける。以上の結果からSV1とRV5を単純に加算することによって左室肥大を診断することの妥当性はないことが証明された。また、ゲノムワイド関連解析の結果、RV5に関連する遺伝子としてCTNNA3, MYL2, TBX3, ZFHX3, HDAC4, KCE4, HERGが同定された。
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Research Products
(2 results)