2015 Fiscal Year Annual Research Report
内皮リパーゼ(EL)欠損に起因する高HDL血症の発見とELの生理機能の解明
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26670450
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山下 静也 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任教授 (60243242)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 高HDL血症 / 内皮リパーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は著明な高HDL 血症を示し、頸動脈エコーで内膜中膜複合体肥厚やプラークを認め、内皮リパーゼ(EL) の活性・蛋白量が極端に低値を示す症例を見出した。また、HPLCによる解析でHDL粒子径の増大とHDL粒子がTG richであることも見出し、本症例の高HDL血症がCETP欠損症とは明らかに異なり、EL活性の低下に起因することが確認できた。しかしながら、本症例の全ゲノム遺伝子解析を行ったところ、EL遺伝子のエクソン及びエクソン・イントロン境界領域に有意な変異を見出すには至っていない。そこで、以前は別の研究機関で測定したEL massを本院で再度測定したところ、EL massはほぼ正常範囲内にあり、その原因は不明であるものの、EL活性についても再検を行った。EL活性は血清とEDTA血漿、採血後の保存条件によるポリマー化の可能性など、様々な因子により影響されることが明らかとなり、本症例ではEL活性値は低い傾向を示すものの、活性が安定せず、現在はEL遺伝子の上流の遺伝子変異ないし、EL活性に影響する蛋白の異常による高HDL血症と考えている。
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