2014 Fiscal Year Research-status Report
New-timerマウスを用いた膵β細胞成熟化機構の解明
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26670454
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
綿田 裕孝 順天堂大学, 医学部, 教授 (60343480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮塚 健 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60622363)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 膵β細胞 / 細胞分化 / 糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
[1] Insulin-new Timer マウス作製 以前作製したinsulin promoter-eGFP-IRES-mRFP (MIP-G-R)のコンストラクトを受精卵に注入することによりtransgenicマウス作製を試みた(日本エスエルシーに依頼)。86匹の産仔のうち12ラインがMIP-G-R陽性であったが、β細胞にGFPあるいはRFPの発現を認めなかった。Genotyping陽性にも関わらず蛍光が観察できなかった原因は明らかではないが、複数コピーのtransgenesが染色体に組み込まれるよりは1コピーeGFP-IRES-mRFPがInsulin 1 locusにノックインされたマウスの方が適正量のtransgenes発現を誘導できるのではないかと考え、CRISPR/Casシステムを用いてknock-in new Timerマウスを作製している。
[2] Insulin-eGFP; Insulin-DsRed-E5 double transgenic mouse の解析 我々は以前Insulin-DsRed-E5(第一世代のTimer蛋白質)を用いて、flow cytometryで緑色蛍光細胞=新生β細胞を単離できることを報告したが(Miyatsuka et al. Diabetes 2014)、緑色蛍光が暗いため、顕微鏡下で緑色蛍光細胞を捉えることはできなかった。そこで蛍光蛋白としてのmaturationが早く、緑色蛍光の強度の強いeGFPをβ細胞に発現するInsulin-eGFPを実験に供することとした。具体的には、上記Insulin new-Timerマウスができるのを待つ間も新生β細胞に関する研究を前進させるため、Insulin-eGFPマウスとInsulin-DsRed-E5マウスとを交配することによりInsulin-eGFP; Insulin-DsRed-E5ダブルトランスジェニックマウス(Ins-G;Ins-Rマウス)を作製し、胎生期膵臓を観察した。Ins-G;Ins-Rマウスの胎生期膵臓には緑色(+)/赤色(-)細胞と緑色(+)/赤色(+)細胞が存在する一方、緑色(-)/赤色(+)細胞は存在しないことから、我々の期待通り、緑色蛍光のみを呈する新生β細胞と緑色蛍光と赤色蛍光を呈する成熟β細胞とを区別しながら観察可能であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していたトランスジェニックマウスの作成が思い通りに進まなかったことが、研究の遅れが生まれている。しかし、上述したように、それの代案であり、さらに研究目的にふさわしいマウスの作成を計画しながら、次善の策を用いて、研究目的を達成しようとしている。
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Strategy for Future Research Activity |
[1] Insulin-new Timer マウス作製 CRISPR/Casシステムを用いたknock-in new Timerマウスを作製するため、本学遺伝子解析モデル研究室の多田昇弘博士との共同研究を行なっている。
[2] Insulin-eGFP; Insulin-DsRed-E5 double transgenic mouse の解析 胎生13.5日および、17.5日のIns-G;Ins-Rマウス胎児膵を用いてex vivo cultureを行い、緑色陽性細胞が実際に赤色蛍光を呈することを確認する。様々な発生段階のIns-G;Ins-Rマウス胎児膵を観察することで緑色蛍光細胞=新生β細胞がいつ、どこから生まれてくるのか解明したい。
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