2015 Fiscal Year Annual Research Report
細胞外マトリックスの機能モジュールを修飾した基板による間葉系幹細胞の分化制御
Project/Area Number |
26670456
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
干場 隆志 山形大学, 理工学研究科, 准教授 (00469769)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 間葉系幹細胞 / バイオマテリアル / 再生医療 / Wntシグナル / 細胞増殖 |
Outline of Annual Research Achievements |
間葉系幹細胞(MSC)の分化能維持、分化制御やその機構の解明は、再生医療の発展や疾患の新しい治療法の開発につながる。申請者はMSCの分化制御にWnt、BMPの活性が細胞外マトリックス(ECM)により制御されること、そしてECMにより活性化されるシグナルが重要であることを見出した。本研究では、特に骨、脂肪分化のバランス制御に重要であるWntシグナルを制御する分子(Wnt3a)を培養基板に固定し、Wntシグナルが固定化量に応じて、変化するか確認した。また、Wntは細胞増殖を促進することが知られている。そこで、固定したWntによっても細胞増殖が制御されるか確認した。このような、培養基板に固定化されたシグナル伝達分子は、当該シグナル伝達経路を定量的に解析するためツールとなるとともに、再生医療用の培養基板としての応用が期待される。 Wnt3aを培養基板に固定した後、ヒトMSCを播種したところ、Wnt3aを固定した基板上では、Wnt3aが存在しない基板上と比較して細胞増殖が促進されていた。さらに、βカテニンの核移行量をイメージアナライザーで評価した結果、Wnt3aを修飾した基板上では、MSC内部でのβカテニンの核移行が促進された。 以上の結果から、細胞機能を制御しながら、Wntシグナルの活性を制御できる培養基板を作製できたことを確認した。
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