2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26670482
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
伊藤 昌彦 浜松医科大学, 医学部, 助教 (50385423)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | B型肝炎ウイルス / CRISPR/Cas9 / CRISPRi / オカルトHBV / cccDNA |
Outline of Annual Research Achievements |
B型肝炎ウイルス(HBV)は、世界に3億5千万人のキャリアが存在し、B型肝炎や肝硬変、肝癌に進展する。慢性B型肝炎の治療として、現在抗ウイルス薬やインターフェロンによる治療が行われているが、血中のHBs抗原陰性、HBV DNA陰性になった場合でも、核内にHBV covalenty closed circular DNA (cccDNA)が存在するような潜伏感染が報告されており(オカルトHBV)、cccDNAを駆除する治療薬、治療法は確立されていない。そこで、cccDNAの完全排除、複製・粒子産生の抑制を目的として、CRISPR/Cas9およびCRISPRiによるHBV ウイルス排除の試みた。 昨年度はCRISPR/Cas9による切断によりpregenome (pg) RNA コピーを15~20%に低下させ、pgプロモーター活性を20~28%に低下できることを明らかにした。本年度は、CRISPRiによるHBV RNA転写抑制を試みた結果、pgRNAコピーを約38%に、pg プロモーター活性を4~18%に低下させるできた。またEnh1/Xプロモーターの転写抑制により培養上清中のHBs抗原は36%、HBe抗原は48%に低下させることができた。また、HuH7/pEB-HBV、HepG2.2.15細胞に組換えレンチウイルスを感染させ検証した結果、HBV pgRNAコピーを43%(GT Ae)、38%(GT Bj)、60%(GT Ce)、34%(GT D)に減少させることができた。 本研究では、CRISPR/Cas9システムだけでなく、CRISPRiによるHBV RNAの転写抑制、HBs抗原, HBe抗原の産生抑制を示した。今後、肝臓への遺伝子デリバリー技術革新、CRISPR/Cas9システムの改良により、より効果的で安全な治療法となることが期待される。
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[Journal Article] Involvement of the 3' untranslated region in encapsidation of the Hepatitis C Virus2016
Author(s)
Shi G, Ando T, Suzuki R, Matsuda M, Nakashima K, Ito M, Omatsu T, Oba M, Ochiai H, Kato T, Mizutani T, Sawasaki T, Wakita T, Suzuki T.
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Journal Title
PLoS Pathog
Volume: 12
Pages: e1005441
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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