2015 Fiscal Year Annual Research Report
深々度シークエンスによる極微小残存病変測定法の確立
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26670492
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Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
加藤 元博 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, その他部局等, その他 (40708690)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
小児白血病の治療を考えるうえで、微小な残存病変(minimal residual disease: MRD)の測定の有用性が認識され、国内外の臨床試験においても層別化因子として用いられている。本研究では、次世代シークエンサーを用いた手法によって、治療中のMRDを従来のPCR法に比べさらに高感度に検出するための検査系を確立し、病態の理解を深め、治療戦略に応用しうる技術とすることを目的として研究を行った。 次世代シークエンサーを用いた深々度での微小残存病変の検出感度を希釈系列を用いて検証することで、形態的に検出可能な限界を超えた10-3~10-4の残存病変は検出可能であることが確認できた。この検査系を用い、急性リンパ性白血病の経過中にランゲルハンス組織球症を発症した患者のそれぞれの発症経過を時系列で解析することが可能であった(Kato M et al. Br J Haematol 2015)。このような検査系を用いることで、小児造血器腫瘍の病態の動的な変化を理解できることが示された。 また、この検査系の概念を広い範囲に応用可能とするために、次世代シークエンサーよりも廉価かつ効率的に検出可能なdigital droplet PCRでの検出を試みた。半額以下の費用と10分の1の解析時間でほぼ同等の検出感度での微小残存病変が検出可能であることが確認でき、今後の実臨良への応用が期待できることを示した。 さらに、転座を有する症例では、イントロン領域を特異的に抽出することでゲノム上の切断点を特定することが可能であることも示すことができた。ゲノムの切断点をターゲットとして定量的に検出する方法が、腫瘍細胞の残存量を正確に検出する技術に応用できることが示唆された。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Genomic analysis of clonal origin of Langerhans cell histiocytosis following acute lymphoblastic leukemia2015
Author(s)
2.Kato M, Seki M, Yoshida K, Sato Y, Oyama R, Arakawa Y, Kishimoto H, Taki T, Akiyama M, Shiraishi Y, Chiba K, Tanaka H, Mitsuiki N, Kajiwara M, Mizutani S, Sanada M, Miyano S, Ogawa S, Koh K, Takita J.
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Journal Title
British Journal of Haematology
Volume: Nov 5
Pages: 印刷中
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant