2015 Fiscal Year Research-status Report
低身長関連新規因子による成長の機序解析と治療への応用
Project/Area Number |
26670494
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
北中 幸子 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (30431638)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 低身長 / モデル動物 / 発症機序 |
Outline of Annual Research Achievements |
低身長は小児内分泌領域では最も多い症状であり、小児期に治療することが必要である。一部の患者では成長ホルモン治療が有効であるが、注射剤であるため、より負担のない治療薬の開発が望まれている。我々は、最近、著明な低身長をきたす疾患の原因として、新規因子の同定に成功した。FAM111Aという因子は、その遺伝子変異によって、均整のとれた著明な低身長と副甲状腺機能低下症を特徴とするKenny-Caffey症候群(KCS)2型を引き起こす。FAM111Aが身長増加に重要な因子であることは明らかであるが、その機序は不明である。そこで、本研究では、我々が新規に同定した因子の低身長の発症機序の解析を行う。我々が同定した変異は、全例で同一の変異がde novoに生じていたことから、これが疾患特異的変異と考える。この変異には、特有の機能が獲得されることが予想されたため、まず、この遺伝子を培養細胞内に過剰発現させ、細胞の増殖、分化、蛋白誘導を観察した。その結果、この因子には細胞増殖抑制作用があることが予想された。さらに、変異体にはその作用が増強している可能性が示唆された。そこで、本遺伝子の機能及び変異による影響を個体レベルで観察するために、細胞実験で得られた結果から変異体を厳選して、モデル動物の作成を行っている。現在トランスジェニックマウス作成用ベクターができたところであり、今後マウス作成を開始する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
トランスジェニックマウスの変異体の選定のための基礎実験が滞ったために、ベクター作成までに時間を要した。さらに、ベクター作成技術の難易度が高く、習熟までに時間を要した。現在、一つの変異体を除いてベクターがほぼ完成したところである。
|
Strategy for Future Research Activity |
残りのベクター作成を行う。完成したら、トランスジェニックマウスの作成を開始する。モデルマウスができたら、まず、その表現型を詳細に解析する。特に、ヒトのKCS2型でみられる成長障害、副甲状腺機能、骨、眼に注目して観察を行う。また、成長障害は、出生後に顕著であることから、特に出生前・出生後の成長を比較し、成長障害の発生する時期を特定する。
|
Causes of Carryover |
トランスジェニックマウス作成に高額な費用がかかるため、その費用を見積もっていたが、今年度中に作成までに至らなかった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
H28年度には、ベクター作成の最終段階を終えられ、トランスジェニックマウス作成にとりかかる予定である。
|
-
-
[Journal Article] Detection of hereditary 1,25-hydroxyvitamin D-resistant rickets caused by uniparental disomy of chromosome 12 using genome-wide single nucleotide polymorphism array.2015
Author(s)
Tamura M, Isojima T, Kawashima M, Yoshida H, Yamamoto K, Kitaoka T, Namba N, Oka A, Ozono K, Tokunaga K, Kitanaka S
-
Journal Title
PLoS One
Volume: 10
Pages: e0131157
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
-
-
-
-
-
-
-
-