2014 Fiscal Year Research-status Report
インスリン受容体異常症iPS細胞を用いた2型糖尿病治療薬アッセイシステムの確立
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26670509
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
中江 淳 慶應義塾大学, 医学部, 特任准教授 (00344573)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | iPS細胞 / インスリン受容体異常症 / 肝細胞 / Foxo1 / 低分子化合物 |
Outline of Annual Research Achievements |
インスリン抵抗性は2型糖尿病の基本病態の一つであり、インスリンシグナル伝達の障害と考えられる。フォークヘッド転写因子Foxo1はインスリンシグナルが伝達される代表的な転写因子である。インスリン抵抗性ではFoxo1は核内へ移行し活性が上昇していることが考えられ、その活性を制御することはインスリン抵抗性、2型糖尿病の治療戦略として重要である。近年、iPS細胞が薬剤選択スクリーニングに利用されつつ。しかしながら、2型糖尿病の創薬開発において利用しうる適切なiPS細胞は見いだされていない。今回、インスリン受容体遺伝子異常症に着目し、そのiPS細胞を樹立し、糖・エネルギー代謝に関わる臓器・組織細胞に分化させることにより、ヒトインスリン抵抗性における遺伝子発現変化・代謝産物変化を網羅的に解析することにより、インスリン抵抗性の病態の理解に寄与すること、さらに、分化させたインスリン抵抗性細胞を、用いて、低分子化合物のスクリーニングに用い、2型糖尿病治療薬の開発に役立てることを目標とする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在、コントロール、インスリン受容体遺伝子異常症iPS細胞の培養系の確立を終え、今年度に実際に肝細胞への分化を試みる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
iPS細胞から肝細胞へ分化させ、コントロールとインスリン受容体異常症での遺伝子発現変化、代謝産物変化を網羅的に解析する。さらに、インスリン受容体異常症肝細胞においてFoxo1の活性が上昇しているか、その細胞内局在を免疫染色により、また、肝細胞における標的遺伝子であるGlucose-6-phosphatase (G6pc)、Phosphoenolpyruvate carboxykinase (Pck1)の発現をコントロールと比較する。Foxo1の活性が実際に上昇しているのが確認されれば、現在別プロジェクトで進行している同定されたFoxo1活性調節低分子化合物を投与し、iPS細胞由来の肝細胞において実際にFoxo1の活性が変化するかどうか検討する。このことは、今後インスリン抵抗性、2型糖尿病治療薬開発の有力なアッセイ系になりうると考えられる。
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Research Products
(12 results)