2014 Fiscal Year Research-status Report
NETs関連クロマチンDNA解析による自己抗体産生過程の同定
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26670519
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
松岡 悠美 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10402067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神戸 直智 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50335254)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 皮膚科学 / 血管炎 / エピジェネティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
好中球は細胞外にNeutrohil extraceller traps (NETs)というクロマチンDNAの網を放出し病原体を捕獲するNETosisという経路を有する。最近、本来感染防御の為に放出されるNETs に含有されるクロマチンDNA複合体が、ANCA関連血管炎等の抗原になっている可能性が報告された。また、SLEの自己抗体はメチル化DNAを優位に認識しているという報告もあり、エピジェネティクスの自己免疫疾患における解析は今後さらに活発になると思われる。そこで我々は、自己抗体陽性と陰性の血管炎が存在することに着目し、両者の好中球のNETsパターンのエピジェネティクス解析により、そのパターンの違いが血管炎の自己抗体の産生に関与するのではないかと仮説を立て本研究で明らかにする。NETsパターンの違いと血管炎の関連が明らかになれば、将来的に血管炎の新たな診断・治療法につながるものと期待される。そこでまず、本研究で用いる好中球の単離を、マウスおよび人の骨髄および末梢血を用いて行った。好中球に刺激が入らずナイーブな状態でとれているのかの確認を、ROS測定キットなどを用いて行った。既存のパラフィン包埋切片での好中球マーカー(Gr-1, CD66b,MPO)等について検討した。生命倫理委員会への本研究の申請を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究で用いる好中球の単離を、マウスおよび人の骨髄および末梢血を用いて行った。好中球に刺激が入らずナイーブな状態でとれているのかの確認を、ROS測定キットなどを用いて行った。既存のパラフィン包埋切片での好中球マーカー(Gr-1, CD66b,MPO)等について検討した。生命倫理委員会への本研究の申請を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
1.形態学的な観点から:エピジェネティクス解析を行うにあたり、放出されたNETsそのものを用いればより効率的に解析を行えると考えるため、まずは形態学的な観点より解析を行う。ANCA関連血管炎、アレルギー性紫斑病、SLE患者皮膚およびヒト末梢好中球を用いて、NETsの放出形態に差があるのかを形態学的に検討を行う。本年度は、患者検体での実際のNETsnの放出形態に関して検討を行う。 2.ChIP-シークエンスおよびプロテオソーム解析:形態学的な検討の後、健常者および患者末梢血より単離した好中球よりクロマチンDNAを抽出しプロテオソーム解析、ChIP-シークエンスを用いてエピジェネティクスなNETsパターンの解析を行う。
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Causes of Carryover |
本研究を開始するにあたり、好中球のマウス及びヒトからの単離が上手く行かなかったので、手技を繰り返し行い、手技の習熟を図った。正常好中球を単離し、刺激への反応性を確認するところまでは到達はしたものの、実験計画の大幅な遅れが発生した。現在、生命倫理委員会への必要書類を提出し、臨床研究への着手を予定しているところである。臨床研究に必要である金額を未使用額として、補助期間の延長申請を行う事とした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
未使用額は、倫理委員会の承認を得た後の、プロテオーム解析費用として使用を予定している。
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Research Products
(1 results)