2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26670521
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
藤本 学 筑波大学, 医学医療系, 教授 (90272591)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 皮膚免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、抑制性のはたらきをもつB細胞の新しいサブセット「制御性B細胞」が見出され、様々な皮膚疾患・免疫疾患において重要な役割を担っていることが明らかになってきた。このような制御性B細胞は、従来は脾臓辺縁帯B細胞の一部と考えられており、細胞表面にCD1dhighCD5+の表現型を有する。このようなconventionalな制御性B細胞が、強皮症に代表される病態である自己免疫疾患における線維化をも抑制できるかどうかを、CD19欠損マウスを用いて検討した。CD19欠損マウスでは、脾臓辺縁帯B細胞が欠損している。MHC不一致マウスの骨髄移植による慢性graft versus host disease (GVHD) を誘導する系で、CD19欠損マウスでは慢性GVHDによる皮膚の線維化が著明に増悪した。さらに、CD19欠損マウスに野生型マウス由来の制御性B細胞を含む分画を移入したところ、慢性GVHDによる皮膚の線維化は改善し、制御性B細胞が線維化病態を抑制できることが示された。また、B細胞をはじめとしたシグナル伝達系を標的とする薬剤を探査し、MAPKの一つであるp38阻害薬が症状を有意に抑制することが明らかになった。 また、CD19の制御するシグナル伝達分子の中で有力な候補と考えられるPTENがB細胞特異的に欠損するマウスを作製し、さらに解析を進めた。このようなB細胞特異的PTENコンディショナルノックアウトマウスでは、脾臓B1細胞に相当する新たな制御性B細胞が著増しており、この制御性B細胞がIL-10産生を介して線維化を強力に抑制することが明らかになり、新たな治療標的になりうると考えられた。また、新たな表面マーカーも同定された。
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