2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26670522
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
島田 眞路 山梨大学, その他部局等, 学長 (10114505)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 崇 山梨大学, 総合研究部, 助教 (30402043)
猪爪 隆史 山梨大学, 総合研究部, 講師 (80334853)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | メラノーマ / 免疫療法 / Timp3 / Nupr1 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度の実施計画は、前年度にメラノーマのT細胞感受性に関わる分子として同定したTimp3、抗がん剤抵抗性に関わる分子として同定したNupr1、それぞれの治療抵抗性に関わるメカニズムを解明することであった。実験の結果、ヒトメラノーマ細胞株に強制発現させたTimp3は、共培養したメラノーマ特異的T細胞の活性を増強させることを様々なT細胞とメラノーマ細胞株を用いて確認した。そしてTimp3は調べ得た限りでは他の共刺激、抑制分子、抗原提示メカニズム、などに影響することなく、直接にメラノーマ特異的T細胞に作用している可能性が示唆された。さらに多数のメラノーマ組織を用いた検討では、Timp3は予後良好群ほど強く発現される傾向が見られた。一方で、Timp3の強制発現はメラノーマ細胞の増殖速度に影響しなかった。以上よりメラノーマ細胞上のTimp3はメラノーマ細胞のT細胞感受性を示唆するバイオマーカーとなりうる可能性が示唆された。またNupr1は同様にヒトヒトメラノーマ細胞株に強制発現させた場合、その抗がん剤感受性を低下させる事を複数のヒトメラノーマ細胞株を用いて確認できた。これも同様にNupr1がヒトメラノーマ細胞の抗がん剤感受性を示唆するバイオマーカーとなりうる可能性を示唆する結果である。さらに、Timp3の発現レベルを上昇させることでメラノーマの免疫療法感受性を増強させ、Nupr1を阻害する事で抗がん剤感受性を増強させる、という治療戦略に結びつけることも可能と考えられた。
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Research Products
(5 results)