2014 Fiscal Year Research-status Report
顔面と陰部に色素斑が多発する遺伝性全身性メラニン色素異常症(仮称)の原因解明
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26670526
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
杉浦 一充 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70335032)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 遺伝性全身性メラニン色素異常症 / 全エクソームシーケンス法 / 色素異常症 / 遺伝性皮膚疾患 / リン酸化酵素 / 病因遺伝子同定 / メラノサイト / 電子顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
Universal Inherited Melanodyschromatosis (UIM) (仮称:遺伝性全身性メラニン色素異常症)は常染色体優性遺伝形式の極めて稀な遺伝性皮膚疾患である。研究代表者は家族歴、臨床所見、病理所見、電顕所見より、本疾患と診断した本邦初の日本人大家系の患者6人の経過観察をしている。本研究の目的は、以下の4つ、1.UIMの原因遺伝子を同定する。2.疾患原因分子UIMSH3(仮名)のメラニン合成への関与と3.相互作用するタンパク質群を明らかにする。4.雀羅斑、肝斑、日光色素斑、Laugier-Hunziker症候群の病変部におけるUIMの原因遺伝子と結合タンパク質群の関与について明らかにすることである。UIMの原因遺伝子が同定され、その機能がわかれば本疾患の病因に即した治療法開発への道を開くことができ、かつ上記の一般的な色素異常症の病因究明の端緒となる成果が得られる可能性がある。本研究ではまず全エクソームシーケンス法などを用いてUIMの原因遺伝子を同定することを目的とした。既に解析を進め、候補遺伝子を絞り込んだ。候補遺伝子UIMSH3(仮名)はSrc homology 3(SH3)ドメインを持つリン酸化酵素(仮名UIMSH3)をコードしていることが判明した。健常人100人の遺伝子と比較して候補遺伝子に見出された変異が稀少であることを確認した。野生型UIMSH3 cDNAと変異型UIMSH3 cDNAをネオマイシン耐性のプラスミドに組み替える。cDNAはヒトメラノサイト培養細胞のcDNAライブラリーからPCRで増幅した。既にUIMSH3のプラスミドは構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遺伝性全身性メラニン色素異常症の候補遺伝子を絞り込んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
疾患原因分子UIMSH3(仮名)のメラニン合成への関与と相互作用するタンパク質群を明らかにする。雀羅斑、肝斑、日光色素斑、Laugier-Hunziker症候群の病変部におけるUIMの原因遺伝子と結合タンパク質群の関与について明らかにする。
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Causes of Carryover |
細胞培養の研究を行っている研究協力者の大学院生が妊娠休暇、育児休暇を取ったため。さらに、連携研究者である越川直彦博士が東京大学医科学研究所から神奈川県がんセンターへ転勤したため、研究室の立ち上げのために時間を要し、プロテオーム解析を用いた研究を中断せざるを得なかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
細胞培養とプロテオーム解析のために消耗品を購入し、研究を進めてUIMSH3タンパク質に結合するタンパク質を同定する。越川直彦博士との研究の打合せのためと成果発表のために、旅費を使用する。
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