2014 Fiscal Year Research-status Report
統合失調症患者由来神経-グリア間代謝的相互作用の解析
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26670545
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
堀内 泰江 公益財団法人東京都医学総合研究所, 精神行動医学研究分野, 主席研究員 (00548985)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 統合失調症 / 人工多能性幹細胞 / カルボニルストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに我々はメチオグリオキサールの分解酵素glyoxalase 1(GLO1)にフレームシフト変異を持った家系を同定し、それをきっかけとして内科合併症を持たない統合失調症の46.7%で末梢血に終末糖化産物(AGEs)の蓄積、カルボニルストレスが認められることを報告した(Arai et al. Arch Gen Psychiatry 2010)。しかし、カルボニルストレスが当豪雨失調症の病態にどのように関わるのか分子レベルでのメカニズムはまだ明らかになっていない。本研究では、カルボニルストレスが認められる統合失調症患者よりiPS細胞を樹立し、統合失調症患者由来ニューロン、アストロサイトを作製し、カルボニルストレスが神経細胞、アストロサイトに与える影響について検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに、メチオグリオキサールの分解酵素glyoxalase 1(GLO1)に変異をもつ患者、健常対照者の末梢血より単核球を分離培養した。エピソーマルベクターを用いて新たにiPS細胞を樹立した。また既に樹立済みの健常対照者由来iPS細胞を用いて、神経細胞を誘導した。これまでの進捗はほぼ計画通りの状況であると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、樹立した患者/健常対照者由来iPS細胞についてOCT4,NANOGなどの未分化マーカーの発現の確認、核型解析等を行い樹立したiPS細胞の特性評価を行い解析に用いるクローンの選択を行う。得られたiPS細胞クローンをニューロスフェアーを介してTUJ1陽性神経細胞、アストロサイトへの分化を誘導する。アストロサイトについて、カルボニルストレスにかかわる細胞自律的(cell-autonoumous)なメカニズムを解析する。さらに、カルボニルストレス下での神経細胞の状態を評価する。神経細胞からの不確定要因と神経細胞とアストロサイトの直接的な相互作用の影響を排除するために、患者・健常対象者由来アストロサイト培養上清(conditioned medium;CM)を対照神経細胞と共培養をする系を用い細胞非自律的(Non-cell-autonomous)なメカニズムを解析する。
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Causes of Carryover |
本年度は研究遂行に非常勤技術員を採用する予定であったが行わず、研究代表者のみで行ったため人件費に計上していた金額を他の項目に割り当てた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
来年度は研究が本格的に稼働するため、消耗品等の物品費、旅費等の配分を計画的に行い成果につながる使用を行う。
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