2015 Fiscal Year Annual Research Report
放射線と免疫療法を融合したロコ・システミックがん治療法の開発
Project/Area Number |
26670548
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
坪井 康次 筑波大学, 医学医療系, 教授 (90188615)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
善光 純子 筑波大学, 医学医療系, 研究員 (20710148)
伊藤 敦夫 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域 健康工学研究部門 生体材料研究グループ, 研究グループ長 (30356480)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 放射線治療生物学 / 免疫応答細胞死 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウス悪性脳腫瘍細胞であるGL261mKOを同系マウス(アルビノC57BL/6)の大腿皮下へ1×10E+7個移植し、① 照射単独群、② 照射+メソポーラスシリカ3回投与群に群別した。移植後10日で腫瘍へX線を20Gy照射し、② 群では照射後7, 14, 21日目に3回メソポーラスシリカ(0.1mg/100μl/mouse)を腫瘍内へ投与した。さらに、3回目の投与から3日後に頭蓋内へ同じGL261mKO細胞を移植して、腫瘍が生着するかどうかを検討した。また、③ 群として、② 群で頭蓋内への移植後さらに大腿腫瘍へ3回メソポーラスシリカを追加投与(合計6回投与)する群を設定し、予後に違いが出るかどうかを検討した。その結果、照射後にMSを3回投与すると照射単独群と比較して腫瘍の増殖は遅延し、頭蓋内の腫瘍は6例で拒絶されたが、生存解析における有意差は認められなかった(p=0.52)。一方、頭蓋内への移植後さらに大腿腫瘍へ3回メソポーラスシリカを投与した群では、有意に予後が改善された(p=0.038)。照射単独群での局所制御は50%であったが、照射にメソポーラスシリカを合計6回投与群では90%で局所が制御され、頭蓋内の腫瘍が拒絶された。以上から、X線照射後の腫瘍内へナノ粒子免疫アジュバント「メソポーラスシリカ」を投与することにより、局所の再発を抑制し、さらに腫瘍死細胞から放出された抗原を利用して脳内でも腫瘍特異的免疫反応を賦活できることが示唆された。
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