2014 Fiscal Year Research-status Report
部位特異的制限酵素I-PpoIを応用したPCRによる染色体転座検出法の開発
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26670549
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
柴田 淳史 群馬大学, 先端科学研究指導者育成ユニット, 助教 (30707633)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | DNA修復 / 染色体転座 / ゲノム不安定性 |
Outline of Annual Research Achievements |
二次発がんを導く重篤な突然変異として染色体転座がある。転座はDNA二本鎖切断後に導かれるが、転座発生までのステップは複雑であり様々なDNA修復因子が関わるため、患者の遺伝的背景からその予測をすることは極めて困難である。一方、現在主流の放射線誘発染色体転座を検出する方法は熟練した技術が必要であり測定完了まで数日を要する。本研究ではPCRを用いた新染色体転座検出系を開発することで、細胞内における放射線誘発染色体転座頻度を簡便かつ短時間に予測する方法の確立を目指す。本研究では、転座発生原因となる放射線照射誘発DNA二本鎖切断(DSB)を模倣且つ制御するために、15bpと長い認識配列を有するゲノム内在性制限酵素I-PpoIを用いる。 本年度は全細胞集団においてI-PpoIを同時期に誘導するため、細胞はタモキシフェン誘導体4-O(4-hydroxytamoxifen)で誘導可能なI-PpoI-HT1080細胞を樹立した。4-OHT誘導DSB量を調整するため、4-OHTの濃度及び処理時間の条件検討を行った。4-OHTの濃度は、転座が発生するまでの期間である72時間以内に細胞死が起こらないことを基準として設定を行った。条件検討を行う際に、DSB量の評価は蛍光免疫染色によるgH2AX fociを用いて行った。その結果、300 nM 4-OHTの4時間添加が細胞に適度のDSBを誘導が誘導出来ることが確認出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の基盤となるI-PpoI-HT1080細胞が樹立することができ、DSB誘導条件が決定したことから、研究計画に沿って順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
適正な4-OHT濃度及び処理時間を用いて、今後は転座部位でのPCRを試みる。また数時間のみの一過性I-PpoI発現を可能にするため、精製I-PpoI酵素を細胞内に導入するPCR転座検出法の確立も併せて進めていく。
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Causes of Carryover |
前年度の後半に計画していたリアルタイムPCR解析へ向けた条件検討が遅れたため、解析に必要な試薬を購入しなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
リアルタイムPCR解析に必要な試薬を購入する。
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[Journal Article] Carbon-Ion Beam Irradiation Kills X-Ray-Resistant p53-Null Cancer Cells by Inducing Mitotic Catastrophe2014
Author(s)
Napapat Amornwichet, Takahiro Oike , Atsushi Shibata, Hideaki Ogiwara, Naoto Tsuchiya, Motohiro Yamauchi, Yuka Saitoh, Ryota Sekine, Mayu Isono, Yukari Yoshida, Tatsuya Ohno, Takashi Kohno, Takashi Nakano
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Journal Title
PLOS ONE
Volume: 9
Pages: e115121
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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